斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

会話が得意な人は「私、会話が得意なんですよ」と言わない?

自分の良い所の紹介の仕方について書いてみました。

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photo by Trojan_Llama

※「トマト祭りでボロボロになってますね」

 

まだ年次の若い社員と仕事をしながら、そういえば彼ら、彼女らが面接の時に何て言っていたかなと思い出してみました。最近はちょっと前のことでも記憶がおぼろげになるのが困っていてはっきり覚えていませんが、「私はコミュニケーション能力が高いです!」「私の長所は粘り強く物事に取り組める点です!」みたいなことは言っていなかったなと記憶しています。(そもそも、自分が面接官であった場合に、「あなたの強みは何ですか?」なんていう馬鹿げた質問はしないので、そういう直球な回答を聞くことがなかっただけなのかもしれませんが。)

 

面接に限らず自己紹介や自己PRをする機会がある時に、時間の制限がある時を除けば、自分の性格についてざっくり述べるのは上手い方法ではないと考えています。薄っぺらい印象を与えちゃうんですよね。

例えば、友達がたくさんいる人だとすると、「友達がたくさんいます!」なんてことを伝えると、本当かって疑いたくなります。それよりも、「この前、こんなイベントを開いたら、友達も興味を持ってくれて結構な人数集まってくれたんですよ」「どれくらいの規模?」「100人ぐらいですね。社会人もいて、年齢も国籍もバラバラで、友達からは色んな刺激を受けています」みたいな、間接的に友達がいそう・多そうな話をしている人のほうが、友達が実際にたくさんいそうな印象を受けます。

他にも、「男性経験が豊富です!」なんて言うぐらいなら、「私、テクニシャンなんですよ」「え、どんなの?」「ほら、ここをこんな風に押すでしょ。そうすると、男の人って変な声を出しますよね」の方が断然経験豊富に見えます。パーソナルスペースへの入り込む上手さ。

いくらでも例を出せますが、極端なのだと、「私は頭がいいです」が分かりやすいですね。自分で頭がいいと言っている人はかなり頭が悪そうに聞こえます。頭の良さは、文章の繋げ方であったり、受け答えだったり、問題を解いたりする時に、伝わってくるものですから。自分から「御三家出身で旧帝大を卒業し東証一部上場企業で勤務しています」なんて、ほとんど冗談です。

更に更に、「私は美人です」もいい例です。美人かどうかは、他人が見て判断するわけじゃないですか。「私は自分が美人だと思っています」なら、意図はよく分からないけど、そういうことを言いたい人はいるだろうなと思えますけどね。もちろん、顔を見せる機会がない、メールでのやり取りであれば、そういう風にアピールする必要はあるときはあります。そんな時でも、「芸能人なら仲間由紀恵が漁師として20年荒波と格闘したみたいな顔かな☆」なんてした方が分かりやすいと思いますけど。

他には、「私は面白い人です」とか、「私は文章を書くのが得意です」とか、「私は好奇心旺盛です」でも同じですね。「私は面白い人です」を言える人はある意味尊敬します。好奇心旺盛さをアピールするのは、相手に色々質問をするのが一番。

これが「テルミンが得意」ですみたいに、物理的な制限がある場合は別ですけどね。それでも、素直にI'm good at playing Theremin.なんて言うぐらいなら、テルミンを何年やっているか、一日どれくらいテルミンについやしているのか、テルミンで『春よ、来い』が演奏できるとか、そういう具体的な話をした方が話は広がりやすい。

 

要するに、何かアピールするなら、自分の身振り素振りや振る舞いから伝えたり、会話の中でのエピソードに上手く絡めた方が、受け手としては納得しやすいんじゃないかという話です。もちろん、聞き手に読解能力がない、(婚活パーティでの紹介タイムの制限等から)時間がないなんて状態なら、聞き手が察してくれないなんてこともあるので、特徴を分かりやすくリストアップして伝える必要があることもあるでしょうけど。資格の一覧みたいで、ちょっと抵抗はありますよね。

『目は口ほどに物を言う』じゃありませんが、人に何かを伝える方法は色々あります。相手によって上手く使い分けていきたいものです。