先日こんなTweetを見かけました。
トピ主さんの寄稿記事を数記事読んでみて。面白い、けどブログと読後感が結構違う。編集が入っているから当たり前なんだけど。
— yamatonatu (@yamatonatu) 2016年9月30日
ああこれは深夜番組がゴールデンタイムに移ってきたときと似ている感じか!と思ったらしっくりきた。
まさに私が思っていた通りのことが言葉にされていたので、思わず頭の中で膝を叩いていました。
現在、3媒体に寄稿中
私は今、3媒体に寄稿しています。
斗比主閲子 | TOFUFU (月2更新)
斗比主閲子 カテゴリーの記事一覧 - 赤すぐ 妊娠・出産・育児 みんなの体験記 (月2更新)
斗比主閲子に関する記事一覧 | ママスタセレクト (不定期更新)
どれも恐らくオウンドメディア(自社で保有する媒体)です。ママスタセレクトが一番古くて去年の10月、赤すぐが今年の4月、TOFUFUが今年の7月から掲載が始まっています。
私が寄稿するに至った理由は、各編集者さんが私の所在を突き止めたため仕方なく受け入れたというわけではなく、どれも依頼されたからです。
ご存知の通り私は依頼は基本的に断りません。ただし、企業からの依頼を受ける前提がいくつかありまして、その一つに「ネットの私とリアルな私を紐付かせないこと」というのがあります。上の媒体の方たちはこれをご了解いただいたために寄稿することになりました。
対談の依頼はどなたからのものでも「飛行機の距離なので、すいません……」と丁重にお断りしています。
媒体の読者層が理解できる記事を書く
実は今日も寄稿記事が掲載される予定です。これもオウンドメディアです。オウンドメディア、流行ってますね。
会社で『モラハラ上司』と恐れられていた人と、愛称で呼び合う仲にまでもっていった、私の上司ハック術 - はたらく女性の深呼吸マガジン「りっすん」
それで、寄稿をする上で意識していることがありまして、それはその媒体の読者層が理解できるような記事を書くことです。当たり前のことなんですけど、これが、最初の「深夜番組がゴールデンタイムに移ってきた」現象を起こすんですね。
私が普段ブログを書いているときは、私が書きたいことを書いて、それを好事家に楽しんでもらっています。要するに、先に私があります。ブログの第一読者は私です。私が楽しんで更新しています。全世界で1000名の、このブログの想定読者である底意地の悪い方には、私の楽しみをシェアしているのです。
ところが、ブログの外に出て、媒体に寄稿するというのは状況が違うんですね。先に読者ありきです。大体は、私のことを知らない、それほど底意地が悪くない人たちがそれぞれの媒体の読者です。
私が好き放題書くというのは、底意地の悪い人たちが楽しむ記事ということになり、これは、普通の底意地の悪くない人たちにはまったく楽しめないものとなってしまいます。
お笑い芸人が自分のお笑いを説明させられたら辛いですよね。「えーと、今から、この冗談のどこが面白かったか説明します」と説明して面白いわけがない。
私は、ブログでは、発言小町でよくあるような、一見すると普通の丁寧な文章だけれど、裏読み、深読み、皮肉を込めた文章を書いています。外部の媒体に書くときには、そういう要素を全部抜いています。「今から言うのは皮肉ですからねー!」「表面的にはこう書いていますけど、実はこれを狙っているんですからねー!!」という説明をしないと、外部の媒体の読者には理解されないからです。
「要領を得ない記事」
この辺のことがよく分からない人はこのブログの読者には多分いないと思うんですけど、一応具体的に説明してみます。
例えば、次の記事。
集合住宅での隣人との騒音トラブルを避けるには事前調査が重要。もしくは姑の家に同居 - 斗比主閲子の姑日記
元のブログの紹介をしていないのは記事が特に目新しさがなかったからなのは置いておいて、もっともらしいことを書いておきながら、最後の二文で、二世帯住宅暮らしを推奨しています。
と、ここまで書いてきましたけど、私のお勧めは、二世帯住宅に住むことですね。二世帯住宅ですと、すでに舅・姑が近隣住民と何らかの関係性を持っていますから、わざわざ1-4を自分でしなくても、すでに検討・地ならしは済んでいます。
ということで、騒音トラブルに困った人はぜひ二世帯住宅に住みましょう!素敵なお姑さんが待っていますよ!!
こういう展開にしているのは特に説明の必要はないと思いますよね? 現にはてなブックマークコメントでも意図は理解されています。
ラストの二文にトピシュさんの本音のすべてが凝縮されてた(笑) - ryo71724 のコメント / はてなブックマーク
このオチはなにか誘導を感じますね - metroq のコメント / はてなブックマーク
雑すぎるステマ。 - AQM のコメント / はてなブックマーク
んもーほっこりしてる家を増やしたいだけでしょう(震え声 - You-me のコメント / はてなブックマーク
一方で、この記事には、どうやら私が寄稿しているサイト経由でブログを知った方から、こんなコメントがつきました。
●●から来ました。 長々と書いてるわりに何が言いたいのかわかりづらく、要領を得ない記事です。
(筆者注:●●部分は伏せ字。コメントは承諾していないため、公開されていません。)
元の記事は、記事の長さは1000字と私のブログではもっとも短い部類です。何が言いたいかは記事のタイトルにも書いてあります。「姑との同居の推奨」です。なぜなら、それが私にとってハッピーなシチュエーションだからです。一億総小町化です。
でも、それが伝わらなかったようです。
これは一例です。ただ、私が寄稿している媒体の記事がFacebookでシェアされた後のコメントなどを見ていると、私のブログの読者と外部の媒体の読者は大きく違うのはよく分かります。そもそも私のブログの記事はFacebookではまずシェアされることはありません。
記事を書く前には編集者さんからは様々な注文があったりなかったりして、記事を書いた後は何らかのフィードバックがありまして、それを受けて「なるほど、こういうことがこの媒体の読者にウケるんだな」と学んでいます。
そうやって、読者からのモヤモヤ相談に答えるのと同様に、できるだけその媒体の読者に喜んでもらえる記事となるよう精進している次第です。
締め
外部ではキレイな斗比主、ブログでは汚いトピシュという感じでできるとバランスがいいと思いますので、底意地の悪い方は引き続きこのブログをご贔屓にしてください。
わざわざここまで読んだ、底意地の悪くない、心安らかな人は、どうぞそっ閉じをしてください。