斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

アンパンチのないアンパンマン絵本『アンパンマンのこもりうた』

昨晩は、これを読みながら、やっぱりアンパンマンは幼児にとって中毒性があるよなと再確認していました。

なぜ必ずと言っていいほど乳幼児はアンパンマンを好きになり、突然卒業するのか? - Togetter

心理の人によるアンパンマンに関する考察 - Togetter

一方で、自分としては、幼児期にアンパンマンにハマったということはなく(当時は今ほどアンパンマン玩具等が豊富ではなかったということもあるでしょう)、アンパンマンのアニメのストーリーラインが好きではなかったので、子どもと一緒にアンパンマンに触れるのは決して愉快ではありませんでした。

とにかく、敵キャラクターをとりあえず用意して、それをアンパンマンが倒しておけばいいというストーリーが多い。例えば、『アンパンマンとらくがきこぞう』の紙芝居では、らくがきこぞうが町や人にらくがきをしていたら、アンパンマンにらくがき筆を折られて、パン工場で筆を燃やされるんですよ。「これでらくがきはもうできないだろう」って、らくがきもできないけれど、それでは、ただのこぞうになってしまう。(ちなみに、アニメ絵本では、らくがきこぞうは、らくがき筆の魅力に取り込まれてらくがきをしており、らくがき筆は燃やされない。)

子どもが楽しんでいるのはいいけれど、こういう紙芝居や絵本や読み聞かせしていてつまらないので、できれば自分も一緒に楽しめるものがいいなと、アンパンマンの紙芝居や絵本を色々漁ったわけです。それで見つけたのが、この絵本です。 

アンパンマンのこもりうた―おやすみまえのおはなし

アンパンマンのこもりうた―おやすみまえのおはなし

  • 作者: やなせたかし
  • 出版社/メーカー: フレーベル館
  • 発売日: 2014/08/01
  • メディア: 単行本
 

発売日は2014年となっていますが、元々は、なむねむおじさん、ねんねんねむのき、シドロとモドロ、ゆめのこうまの4分冊になっていた、こもりうたシリーズを一冊にまとめた本です。1話8ページの短編で、それが1分冊分で5話、4分冊だから、合計20話分の話が含まれています。

この本、何がいいかと言えば、アンパンマンが一発もアンパンチを打ってないんですよね。とりあえず、バイキンマンが登場して悪さをしてアンパンチで懲らしめればいいという話が一つもない。こもりうたというタイトルにある通り、寝る前に子どもを落ち着かせるという目的で描かれたわけですから、当たり前といえば当たり前なんでしょうが。

話数も多いから、読み聞かせのローテーションに加入してくれればフル稼働してくれます。 

問題点があるとすれば、一つの話が短いので、次も読んで欲しい、次も読んで欲しいと、終わりが見えなくなることがあること。この辺は、親の威厳と子どもとのお約束で何とか全て読むまで逃げられない事態は避けられると思いますけど、苦労する親はいると思う。

それと、この本は恐らく増刷されておらず入手が困難みたいなんですよね。本日時点でAmazonのマーケットプレイスで売られている2冊の中古本以外は、定価(以下)の価格で入手することはできなさそうです。元の4分冊のほうも当然絶版の様子。

できればフレーベル館におかれましては増刷していただきたいなと願う次第です。

以上、本題です。以下、余談です。

それにしても、アンパンマンにはキャラクターが既に数百体出てきていて、あざみちゃんやブック先生など魅力的なものも揃っているのだから、わざわざ敵役を設けなくても、いくらでもお話が作れそうなんですけどね。それぞれが出会うだけでもいい。りんごぼうやがりんごちゃんに会う話があったように、りんごぼうやがアプル王子に会ってもいい。

我が家もそろそろ一番下の子がアンパンマンから卒業しそうなので、もはや不満を言ってもしょうがない感じはしますが。(PTAが変わらないのと同じような理由) 

亜人

※ある日の漫画を使った読み聞かせ風景。