少年ジャンプ＋で好評連載中の『タコピーの原罪』は、ハッピー星人のタコピーが宇宙にハッピーを広めるために旅をしていて、たまたま到着した地球で、小学四年生の久世しずかちゃんと出会って、彼女のあれやこれやのトラブルの解決のためにハッピー道具を提供しようとする……というお話です。
本日更新の最新話で第4話で、ジャンプ＋ですべて無料で読めます。
なので、私のレビューなんか読まずにさくっと読んじゃってください。読み手を選ぶ内容ですから、1話のちょっと読んだ感じで駄目だと思ったら読むのを止めるといいですね。誰も強制はしませんから。
ここから先は簡単なレビューです。お好きな人だけどうぞ。
『タコピーの原罪』は、ぱっと聞いた感じはドラえもん的な感じの設定で、タコピーもタコさんウインナーみたいな素朴で可愛い造形ですけど、
※1話から。
タイトルに『原罪』という名前が付いていることから、よくある話じゃないんだろうなと思っていたら、毎話毎話がかなりキツいエピソードのオンパレードとなっています。
ドラえもんののび太が置かれている境遇もたいがい厳しいところがありますが、ドラえもんはポンコツでもそこそこ他人の感情を理解するところがありますし、一応はひみつ道具によって救われる機会が多いですよね。
『タコピーの原罪』のタコピーは正真正銘の脳みそお花畑で、人間の機微が分かりませんから、ハッピー道具を使ってどうにか久世しずかちゃんのトラブルを解決しようとするものの、裏目になって、久世しずかちゃんが余計に苦しまされる（姿を読者は見せられる）展開です。苦しまされるというか、苦しみから開放されるというか。
連載最初の1話も相当気分が悪くなる展開なんですが、最新第4話は、タイトルの『タコピーの原罪』をいきなり回収する形の大盤振る舞いの、まったくスッキリしない酷い終わり方をします。ハッピー道具を使っているのに誰もハッピーになっていない！
最新話でタコピーが『原罪』を背負ってしまったわけで、こうなってしまうと、タコピーが久世しずかちゃんのためにどこまで罪を背負い続けるのか、これまで以上の悲惨なストーリーしか想像できません。
似た感じだと『ペリリュー』が近いでしょうか。作者の武田一義さんが巻末に書かれていましたが、絵柄の可愛さによって悲惨な戦争描写をどうにか読者がついていける。
あとは、ちょっと古いですけど、鬼頭莫宏さんの『なるたる』も近いかな。
子どもを育てている身としては、主に家庭内トラブルがきっかけで子どもが苦しむ描写をエンタメであっても見るのはちょっと厳しいところがあります。『タコピーの原罪』は絵柄とタコピーの想像力に欠けるからこその明るさのおかげで、何とか、読める。人によってはこの絵柄とタコピーのキャラクターこそキツいでしょうけど。
いずれにしても、よくある捻った設定だけではなく、絵柄と展開の仕方がとてもいいので、私にとって、今、毎週金曜日０時の更新が最も楽しみな漫画の一つです。
合う人は一緒に更新を楽しみにしましょう！
