仕事をしていて不愉快な気持ちになることがあるときに私の支えになるものがあります。はい、お金です。
ここまでで嫌な気持ちになった人はそっ閉じを推奨します。続きます。
※わー、お金だ!
私もそれなりに腕があって今の仕事をしているので、そうそう失敗をすることはないし、失敗をしても誤魔化す力もあるものの、そうはいっても完璧ではないので、たまにちょっとしたミスをします。
また、仕事をしている相手がいつもご機嫌な人たちというわけではなく、ちょっとした悪意があったり、揚げ足取りをしたりする人もいます。
自分が悪いときでも、相手が悪いときでも、いずれにしても自分の時間を使って費やしている仕事でちょっと嫌な気持ちになることはあるわけです。
そういうときに、「まあ、お金はあるから、いざとなったらこの仕事を辞めちゃっていいんだし」と思えるのは凄く気が楽です。
ただ、この金銭的に豊かな状況が昔からそうだったというと必ずしもそうではありません。私が投資をし始めた十数年前はこんな状況ではありませんでした。月9千円で食費を維持するのを楽しみにしていました。
※バイブル 。今でも好き。1997年発売の文庫版
私が投資をし始めたのは、今となってはもう歴史となっている2007-8年の金融危機の直前です。2000年代前半のこと。
当時は堀江貴文さんや宇野康秀さんなどのヒルズ族がブイブイ言わせ始めていて、個人投資家が大量に株式市場に流入していた時期です。私の友人でもスイングがどうのとか、デイトレがどうのとかで、投資をしている人が非常に増えていました。
私はこの株式投資ブームが起きる前から、ある本の影響を受けて、経済的に自由になりたいという気持ちがありました。その本は、『ゴミ投資家のための人生設計入門』です。1999年発売の本。
※この胡散臭いタイトルと作者名が秘密の情報を得ているようで何となく嬉しかった
この本の冒頭の文章に若い頃の私はやられたわけです。
戦後日本が生み出した、「1億総中流」という、世界でも稀有な社会構造は今、音を立てて崩れはじめています。この社会階級の崩壊と再編こそが、「日本 版 ビッグバ ン」の最終局面なのです。その衝撃に比べれば、 拓 銀・山一・長銀・日債銀の破綻消滅など、とるに足りない出来事です。使い古された常識にとらわれていては、これから起こる巨大な変化の波を、乗り越えることはできません。リスクを恐れず、冒険への一歩を踏み出した者だけが、生き残る資格を得ることができるのです。
要は、少子高齢化が分かっているし、経済成長もしないのだから、お金の使い方ぐらいはコントロールして経済的な自由を勝ち取ろうという本です。もっぱら不動産と保険に焦点を当てた本ですね。私はこの本を読んで、2021年になった今でも更新し続けている人生設計シートを作り始めたのでした。
※人生設計シートはここで無料で公開されている。
この作者の『海外投資を楽しむ会』には作家の橘玲さんが関わっていたようで、一連のゴミ投資家シリーズが終わった後で、
総集編?みたいな感じで出版されたのが、『黄金の羽根の拾い方』という本です。
1億円の資産を持って、合法的に節税していきましょうという内容。まあ、酷いですね(笑)
これらの一連の本を読んで、私は経済的自立をいつか実現したいと思うようになったわけです。今で言うところのFIRE(Financial independence Retire Early)みたいな感じ。
何に投資をすればいいかは当時は個別株の本が優勢でしたが、山崎元さんや今となってはワイン投資を推奨していた怪しい人になってしまった内藤忍さんなどが様々な情報発信をしていて、幅広くポートフォリオを作ることが大事だということを認識しました。
そして、すったもんだ、試行錯誤があった結果、低コストで世界に分散投資が可能な商品を提供するセゾン投信が立ち上がったのをきっかけに、私は2006年からは完全にインデックス投資一本となったのでした。
その後の投資環境はご存知の通りで、まずは2008年にリーマン・ショックで株価は大暴落です。私が保有していた海外インデックス投信も4-5割減になりました。
周囲には狼狽売りをしている友人・知人がたくさんいましたが、ここで売ってしまっては単に損失が発生するだけで、所得税との損益通算もできないし、また、仕事もプライベートも忙しくなってきたので、何もしないでほったらかして、その後も、引き続き毎月インデックス投資をし続けました。10数年の間、Buy and Holdです。売ったのは損益トントンになったときに金融商品を整理したときぐらいです。
そうして10数年が立ち、最近になって経済的自由を獲得したわけです。我ながら、長いこと、よく我慢して毎月ずっと投資をしてきたと思います。
今後ですが、マーケットがこのまま安泰というわけではないし、子どもの教育費が信じられないぐらいかかる可能性もあるし(私大医学部行きたいとか)、あと10年弱は仕事を続けて、毎月コツコツと投資をしていくつもりです。徐々にボランティアの比率を高めながら。債権比率を高めながら。
というわけで、私の人生を結果的に変えた一冊として、『ゴミ投資家のための人生設計入門』を紹介でした。
今日はこんなところです。ではでは!