斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

富裕層向けの15億円マンションがすぐに購入される理由の一つは節税

私は富裕層(現在130万世帯)×資産課税強化派という少数派です。さっきこんなニュースを読みました。

15億円マンションも即成約 富裕層市場は不況知らず: 日本経済新聞

億ションが最も売り出されたのは1990年の3079戸だった。当面こうした物件の開発をためらう理由は見いだしにくい。富裕層向けマンション市場という雲の上に雨は降らないようだ。

新築マンションの発売戸数は減少している中、富裕層向けの新築マンションはポンポン売れているという話です。日本の富裕層と外国人が買ってるんじゃないかって。

Tokyo 296

※東京の湾岸にはこういうのがポンポン建っているらしい

以前に紹介したように日本の富裕層は分厚くなっているので、高額のマンションを購入する層も分厚くなって当然です。

この10年の日本で準富裕層~富裕層は100万世帯以上増加しているが、世帯全体の金融資産の中央値は減少している - 斗比主閲子の姑日記

また、外国人が買うのもよく理解できます。なぜなら日本の東京の不動産はニューヨーク、ロンドン、上海、シンガポール、ソウル等に比べて割安だから。

それで、富裕層は自分の住居用に不動産を購入しているところもありますが、購入目的はそれだけではなく、相続税対策の節税というのが大きいです。凄く知られた、当たり前の話なので、本来はニュースバリューなんてないんですが、知らない人がいるかもしれないので、参考までに紹介します。

ぶっちゃければ購入額の5割とかで相続時に評価されます。例えば、6億円の現金・投資有価証券なら相続税がマックスでかかるけど、それをマンションに換金すれば相続税評価額が5割減にできて3億円とかにできるってことです。

相続税は累進になっていて、最高は6億円以上で55%の課税がされますから(控除7200万円)、6億円を現金じゃなくてマンションにしておけば、本来は2.5億円とかかかってた相続税が1億円とかまで下げられることになります。そりゃ、やりますよね。地方で、サブリース契約に騙されて空きアパートが大量に作られるのも同じ理由です。特に賃貸に出していると相続税が下がるので。

あとは、減価償却を所得税にぶつけて所得税をゼロにするなんてこともやられてますね。所得が多いのに所得税がゼロ。

詳しくは、"マンション 節税"で検索してみてください。もしくは不動産屋に「節税目的でマンションを買いたいけど詳しく教えてほしい」と伝えてみてください。とてもとても親切に教えてくれるはずです。超ニッコニコですよ。

自分で勉強したい人はFP(ファイナンシャルプランナー)3級の勉強をしてみてください。たくさんの相続税節税制度が存在しているのが分かるはずです。(そう思って勉強しないと単なる情報に過ぎない)

今日はこんな感じです。

繰り返しですが、私は富裕層×資産課税強化派なので、当然、富裕層によるマンション購入による節税は反対です。富裕層が不動産買って節税して子どもに資産を目減りさせずに移転してれば資産格差なんて一生縮まらないので、資産課税強化の一環として、富裕層による不動産購入での節税はもっと厳しくするべきです。

その上で、寄付遺贈のPRをもっとされるといい。遺言でNPOに相続(寄付)すれば相続税ゼロでNPOの資金にできます。

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※画像は遺贈(遺産による寄付)をお考えの方に。人生の最後に思いを託す。 | 国境なき医師団より

凄く当たり前で、みんな知っているはずの話なのに、同じ主張をする人をあまり見かけないので、せっかくなので書いてみました。