斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

ダンジョン飯でマルシルがチルチャックの別居の理由をあれこれ推測するのが超楽しかった

『ダンジョン飯』は、ファンタジー世界のダンジョン(地下世界)のモンスターを使った食事紹介漫画で、4年前にレビューを書きました。

私はこれ以来ずっと『ダンジョン飯』を読んでいて、最新刊の8巻まで読んでいます。で、その8巻の第56話に掲載されていたエピソードが凄く楽しかった。

『ダンジョン飯』では、ライオス(トールマン♂)、チルチャック(ハーフフット♂)、マルシル(エルフ♀)、センシ(ドワーフ♂)という4人のパーティがダンジョンを探索しているんですが(最近はもう1人追加されてる)、各巻でじわじわと各人の事情が紹介されていっていたんですね。

私は漫画含めたフィクション作品で、キャラクターを深堀りするための各人の事情説明のパートがめちゃくちゃ好きで、『ダンジョン飯』でのエピソードも楽しく読んでいました。

で、8巻の第56話のエピソードでは、ハーフフットのチルチャックが昔結婚して子どももいたんだけど妻が何も言わずに家出してしまったというエピソードを披露するんですね。

チルチャックは本人もよく分かっていないのと多弁ではないということもあって別居の背景を多くは語らないのだけれど、ちょっと話を聞いただけのマルシルが作中で2-3ページを使って、別居の理由をあれこれ推測します。

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※熱弁を振るうマルシル(一番右)と、あまりのリアリティに冷や汗を垂らすチルチャック(『ダンジョン飯』8巻のp.190

その推測のシーンが楽しくて楽しくて。マルシルに非常に共感を覚えたんですね。私でも同じような推測をするだろうって。

マルシルによる別居の理由の推測としては、

・チルチャック(夫)が普段から冒険に出ているのを妻としてはいつも心配しているのだけれどその思いがなかなか夫には伝わらないのに妻としてやきもきした気持ちがあって、

・そんな夫がたまたま冒険者仲間を紹介してくれるというから、夫がこれまで見せてこなかった夫の大切にしているものが見られると思ってウキウキして行ってみたら、

・冒険者仲間には持ち上げられて嬉しかったけれど、自分のことを妻下げして話をしていたのを知り、また、冒険者仲間には素敵な女性もいたから、

・「愛している」というのを言葉で聞くことはこれまでにほとんどなかったから、夫の愛情を疑ってしまい、試し行動的に家出をした

という感じです。

マルシルの推測にみなが驚嘆する中で、マルシルが「こんな話は井戸端会議ではありふれてる!」と言い切るのですが、こんな話は発言小町でも非常にありふれています。

私の中ではチルチャックが発言小町のトピ主としてトピを立てて、コマッチャにフルボッコに遭うところまで自然と想像が湧きました。「愛情を言葉にしないで察してくれると思っていたとしたら傲慢ですよ」「あなたは別居の問題を奥さんのせいだとしていますが、問題はあなたにあります。私には分かります」とかとか。

フィクション世界で、こういう家庭内トラブルエピソードが登場するのが嫌いな人がいるのは知っていますが、私はこの成分が大好きです。

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今後も発言小町的な成分が含まれる作品があれば紹介していきますので、楽しみにしてください。ああ、『凪のお暇』の6巻も超楽しかった! 

ダンジョン飯 8巻 (ハルタコミックス)

ダンジョン飯 8巻 (ハルタコミックス)

  • 作者: 九井諒子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/09/14
  • メディア: コミック
 
凪のお暇(6) (A.L.C.DX)

凪のお暇(6) (A.L.C.DX)

  • 作者: コナリミサト
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: コミック
 

※みんなが期待していた凪のお母さんの事情の深堀りがあるよ!