斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

ファミマが「子ども食堂」で自社のコンビニ商品(加工食品)を提供するのは、まったく問題ないと考える派

こういうTweetを見かけました。

批判は自由ですから、こういう意見もありだと思います。対して、私はこの意見への批判をこの記事では書きます。

私は以前から書いている通り、日本人は手作り至上主義が強すぎると考えています。保育園に持参する雑巾を親に手縫いさせたり、学校に持っていく弁当を手作りとする指導をしたりするのは、何度も批判してきています。私の子どもが関わる教育機関とは戦ってきています。

加えて、家事のうち、特に料理はもっと手を抜いたほうがいいと考えています。「おふくろの味を嫁が継ぐ」とかは滅びたほうがいい慣習と思っています。もちろん、食べたい人が自分のために料理の手間をかけるのは否定しません。

その文脈で、大人だけではなく、子どもの学校の食事がコンビニ弁当であっても問題ないと考えています。ハードルを上げたときの負担は誰かにきっとあって、手作りの食事を提供し続けるのは大変だと考えているから。私は料理が好きで得意だから、子どものお弁当は作り続けているけれど、みんながみんなそうするべきだとは思わない。

Tweet先にあるファミリーマートの子ども食堂のメニューを見てみると、

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  • ちょい食べセット・・・ファミチキ+蒸しパン+麦茶
  • ごはんセット・・・ファミチキ+おにぎり2つ+豆とひじきの煮物+麦茶
  • パンセット・・・ファミチキ+ミックスサンドイッチ+プリン+麦茶

ごはんセットとパンセットについて、特に大きく問題があるようには思いません。栄養バランスからすれば、野菜がもう少し欲しいところだけど、摂取カロリーからすると十分なはず。これを子ども一人100円で提供するのは、事前対応や当日対応のオペレーション含めて、大幅な赤字でしょう。もう少し生野菜を提供するとかだったら、標準的に提供するのはまず無理。誰かに過度な負担がかかり、それは維持できない。ちなみに、費用負担は加盟店ではなく本部がするらしい

こういうスタンスですから、

コンビニ商品が健康的ではなく、かつ、子ども食堂で食べさせるべきではないという考えには反対します。貧困家庭や孤食の子どもに提供する食事としては十分でしょう。

この人が考える健康的な食事を提供できることを子ども食堂の前提条件にした瞬間に、次のような既存の子ども食堂であっても成立しなくなる可能性が高い。

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※画像はこども食堂 ビストロウッフ - ワイン食堂ビストロウッフでは、毎週月曜日(祝祭日の場合は行いません)に、こども食堂を開... | Facebookより

提供するもののハードルを上げれば負担が増えて参入者が減ります。バランスの良い、手作り料理を提供できない親以外は親になってはならないみたいなことをすれば、親のなり手が減るのと同じ。それをゴールにしていいのか。

物事はイチゼロではなくて、イチとゼロの間のグラデーションがあるもので、100%要求水準を満たさなければ許されないものと、グラデーションがある中でゼロでなければ良いものがあります。

私は、日本人の中での家事としての料理と、そして、子ども食堂の料理も、グラデーションがあってよく、100%の水準を常に満たさなければならないとは思いません。