斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「甲斐性なしのモラハラ男である父の介護のために、どうして自分の家族を犠牲にして介護の金銭負担をしないといけないのか」

今日は一人小町です。長年、お父さんのモラハラに悩まされてきて、借金して自力で大学に行ったのに、今度は介護費用を負担しないといけないのかとモヤモヤしているというものです。

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Q1. 実父についてのご相談です

はじめまして。トピシュ様の淡々とした文章が好きで、5年ほど前からブログ愛読しております。最近は子育て記事が大変参考になります。

本日は、好きになれない実の父親との折り合いのつけ方についてご相談したいです。私の自己紹介ですが、アラサー女、夫と未就学の娘の3人家族です。

父を短く表現すると「甲斐性なしのモラハラ男」です。父が会社員を辞め無職であったため、私と私の妹は母の収入でなんとか大学まで卒業しました。(国公立を選択し、奨学金と授業料減免制度を駆使しました。)

現在は子供はみな独立・結婚し、両親は持ち家での二人暮らしですが母のパートで生計を立てており、父は競馬競艇たばこ酒にお金を使っているようです。

"モラハラ"の部分は私の幼少期からエピソードには困らないのですが、一例をあげるにとどめます。デリカシーなしの自己中ですが暴力はありませんでした。

  • 真冬に小学生と未就学児を家から追い出す(理由は「うっとおしい」から)
  • 機嫌が悪いと「くそっ」などと叫びながらリモコン、お箸などを床に投げつける
  • なかなか友人ができないと話す高校生の私に「友達を欲しがるなんていやらしい」

娘からみると父親・夫・人間としていいところが一つもないのですが、母に対しては、なぜ離婚しないのか、せめて家事や金銭的な分担など話し合いをしないのか、同じ女性として母の気持ちも理解できないです。

父は飲み仲間や友人もおらず人間関係も希薄ですので認知症になるのも早いと思われ、最近は肉体的な衰えも見え始めてきています。自力で入浴トイレが不可になれば姉妹でお金を出し合って施設に入れようと話しております。私が実家と地理的に離れていることと、、父の介護は絶対にしたくないので私から妹に提案したことなのですが、嫌いな父親を援助することにモヤモヤしております。

以上、父子の不仲はよくある話だと思いますが、気持ちの折り合いのつけ方についてアドバイスしていただけると幸いです。不明点や不足情報がございましたらご連絡ください。

今日子

A1. 折り合いをつける必要はないのでは?

今日子さん

メールありがとうございます!

お題は、不仲なお父さんとの折り合いの付け方ということですが、物理的な距離は取られているようですし、ご自身で介護をすることも想定していないことから、折り合いをつける必要はないと思います。

時々昔を思い出していらっとするのか、今回お金を出すということで何か縁がつながったままになりそうだと思ったのか、今、このタイミングで折り合いをつけようと思ったのは、何に起因するところなのでしょうか? 教えてもらえるともう少しコメントできそうです。

ではでは!

topisyu

Q2. 父を思うと心がかき乱されます

お忙しい中ご返信ありがとうございます。
おっしゃる通り現在は平穏な生活なのですが、何かの折に父にされた扱いを思い出すと悲しみや悔しさに苛まれます。布団の中で考え出して夜眠れないことがよくあります。

最近では以下のようなタイミングで心がかき乱されたのですが、今になって折り合いをつけたいのは、父のことを考えているときの堂々巡りで不毛な時間と決別したいと思ったからです。いつまでも父への憎悪を深めるのではなく、子や夫のために時間を使おうと。

  • 友人の家族や家庭環境と比べて妬みやよくない感情が沸き上がる
  • 母からLINEで愚痴が届くのもイライラする
  • 年末年始に実家に滞在して父への嫌悪感が強まった
    → 帰省は多くとも年1回1泊だけにしているのですが、忘れかけていた父の嫌な面が見えたり、孫の接し方に苛立ってしまい帰省を後悔しました。

お金のない親の面倒を子が見るのは一般的なことだとわかっているのですが、余裕があるわけでもないのに父親に援助するのが本心では納得できていないんだと思います。

世の中には親から贈与などを受けている家庭も多いのに、我が家は、私と夫の奨学金返済、子の教育費、親の老後資金、自分たちの老後資金…etcと優先順位をつけていくと、家を買ったり旅行に行くのも諦めないといけないのかと。

気持ちよくお金を出せるような理由付けができればいいのかもしれません。

今日子

A2. 吐き出しましょう & 介護しなくていい

今日子さん

状況よく分かりました。ありがとうございます。お話聞く限りモヤモヤを解消するには二つのアプローチがありそうですね。

一つが、お父さんへの嫌な感情を認めて、どこかに吐き出すこと。もう一つが、お父さんへの将来的な金銭負担を具体的にシミュレートすることor介護に関して興味を持たないこと。

一つ目については、すでにやられているかもしれませんが、お父さんについて考えていることを、私にメールするみたいに、誰かに伝えたり、文章に書いたりすることです。
以前ブログでグリーフケアについて取り上げたことがありますが、辛い経験は、その辛い経験をしたときに、癒やしてあげるようにしておかないと、後々まで地雷として残っちゃうみたいなんですね。

そんなわけで、今でも折に触れてお父さんからされて嫌なことを地雷みたいに思い出してしまうとしたら、子どものときにどんな嫌なことをされて、どう思ったかを吐き出しておくのは、今からでも癒やしの効果が得られるっぽいのでやってもいいかもです。手段として、大人の自分から、子どもの頃の自分宛てに手紙を書いてみたり、(実際には送らないとしても)お父さん宛ての文章に想いを書き綴ってみたり。

こちらは精神的な話で、もう一つは現実的な話です。

今回、今日子さんがお父さんの介護費用を姉妹で折半しようと言い出したのは、ご自身が介護をする可能性があり、そうするぐらいなら先に介護をしないことを決めちゃおうとしたからだということですが、実際のところ、姉妹で介護費用をどの程度まで負担する必要があるか、現実的なシミュレーションはされたのでしょうか。

そもそも論として、お父さんの介護をするのは、今日子さんがいいとは思わずとも、お母さんが(離婚しなければ)やることでしょう。

介護のシミュレーションについては、例えば、月額30万円ぐらいを姉妹で今から負担しないといけないと思うと、非常に経済的負担は重たいように感じますが、一定期間はお母さんがやられて、その後も、自治体からの補助が得られれば、実は思ったほどの費用はかからない可能性があります。

お金がいくらかかるか分からなければ負担感は大きいですが、シミュレーションをしてみて、場合によってはどこを抑えられるか工夫をしてみると、それほど負担感は覚えないですみます。

そもそも論としては、私は、今日子さんはよほどのことがない限り今の段階でお父さんの介護を想像しなくていいと思いますけどね。今日子さんが妹さんやお母さんに対して、「私は父の介護はしない!」と宣言してしまってもいいぐらいだと私は思います(笑)

こんな感じでしょうか。

topisyu

Q3. やってみます

ご返信ありがとうございます。

夫や友人は親の悪口を言うのを良しとしないタイプばかりで、吐き出す場がないのですが、今回文章に書き起こして少しすっきりしました。 対父親に限ったことでないのですが、不快な言動に対してとっさに対応できず、時間がたってからああ言い返せばよかったと悶々としがちです。手紙作戦試してみます。

介護費用を詳細に試算したことはなく、特養は無理だろうから有料ホームでざっくり月20万ぐらいとして一人いくらね、ぐらいの話しか妹はしていません。妹は親の老化に気づいていないのか見て見ぬふりなのか、いまだに母親を当てにするところがあり、介護を切り出したのはそれをけん制する意図もありました。

実家に来て孫の子守りをさせる。母親は来てくれるだけましだと思っているのか、 妹には何も言わず、「連日はしんどい」「外遊びはついてけない」などの愚痴を私が聞く羽目に…。

余談ですが、私は狭くて安普請の実家がコンプレックスでなるべく夫も泊めたくないのですが、妹には居心地いいらしくときどき帰ってます。同じ環境で育ってもとらえ方は違うんだなと思います。

そもそも論としては、私は、今日子さんはよほどのことがない限り今の段階でお父さんの介護を想像しなくていいと思いますけどね。今日子さんが妹さんやお母さんに対して、「私は父の介護はしない!」と宣言してしまってもいいぐらいだと私は思います(笑)

トピシュ様にこう言っていただけて心が軽くなりました。まずは自治体の介護補助について調べてみます。介護費用を心配していると伝えたうえで、正確な年金受給額や
入居一時金になるような貯金があるかを以前母親に聞いたのですが、いっこうに教える気配がないので、調べたことを送り付けて、力になれるのはここまでと宣言することにします。

援助には情報提供、健康維持の努力、節約を条件にしたいと思います。ありがとうございました。

今日子

A3. 横ですが、お母さんの愚痴被害に遭ってる?

今日子さん

少しでも気が楽になったようでしたら、何よりです。

それはそれとして、

実家に来て孫の子守りをさせる。母親は来てくれるだけましだと思っているのか、 妹には何も言わず、「連日はしんどい」「外遊びはついてけない」などの愚痴を私が聞く羽目に…。

ここは相当ほっこりしますね!

妹さんに問題があるようでいて、お母さんも被害者のつもりで今日子さんに愚痴って、今日子さんの気分を悪くさせている。もしかしてというか、すでに少し触れられていますが、お母さんはお父さんに対しての愚痴も今日子さんにかなり伝えてたりしませんか?

topisyu

Q4. お察しの通りです

ご返信ありがとうございます。

お察しの通り、母の主な愚痴は父や父方の親族絡みですね。母は家父長制が染み付いているのか、父には強く出れないんですよね。父は能力が低いのにプライドは人並みにあり、父がした家事にやんわりとでも注意すると逆切れするので注意できなくなり私に愚痴で発散、という感じです。

唯一の利点は、私の仕事柄、おじさんに接することが多いのですが、どんな感じの悪い方相手にも父よりマシと思えばやり過ごせる耐性がついたことです。

貴重なお時間を割いて、親身に相談にのっていただきありがとうございました。これからもブログ楽しみにしています。

今日子

締め

以上、一人小町でした。

メールをやり取りしていて思ったのは、非常に抑制の効いた文章を書く人だということです。ご自身が相当苦労してきて、今でも苦労を背負おうとしているのに、それを甘んじて受け入れようとしている印象を受けました。

例えば、

不快な言動に対してとっさに対応できず、時間がたってからああ言い返せばよかったと悶々としがちです。

というところからも、子どもの頃のお父さんからのモラハラと、お母さんの愚痴を聞かされ続けてきたことが影響あるのかもしれない。言語化は癒やしのプロセスですから、今からでも吐き出せるものは吐き出しておくといいですよね。

あと、本題については、親の介護を子どもが必ずしないといけないわけではないですし、介護の主体は最初は配偶者というのが基本形ですから、もう少し、鷹揚であってもいいかなと思いました。

その辺を意識してメールの返信をしています。何にせよ、お疲れ様です!