斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

結婚相手を探すときになぜ条件を出すことになるのか。例えば、年収一千万円、土地持ち、非マザコン

昨日書いた記事はいつもFacebookで書いているのと質的にはあまり変わらなかったのですが、はてなブックマークも20ぐらいついた上、主にはてな経由でアクセス数も3千ぐらいありました。主にはてな経由ですが。

 

その記事について、以下の様なブックマークコメントがありました。

id:hariopip

なんか始めるときに色々条件つけようとするのは、そもそもやりたくないからではないかという話を、いや色々条件あってもなんとかなるよという返しは妥当なのか?なんでやりたいと思ってるのという処から始めないと 2013/10/23

確かに、何かやり始める時に本当にやりたければとりあえずやってしまうはずで、条件を決めること自体がやりたくない証拠というのは分かる話です。ダイエットだったり、勉強だったりを、明日から、暖かくなってから、仕事が落ち着いてからという条件という名の言い訳をすることはあるある。

 

では、結婚の場合、条件を出すというのは自分に言い訳をしたい時でしょうか。個人資産1兆円じゃないと無理!みたいな条件を出している人なら現実逃避かもしれませんが、それよりも、周りから「結婚相手の条件をはっきりしたら?」と言われてリストアップすることの方が多いと思います。

 

結婚相談所を使うなら、どんな人と結婚したいかの入力は必須ですし、お見合い結婚でも事前に条件のヒアリングが行われているものです。では、なぜ、結婚相手を探す時に条件を出させられるのでしょうか。

 

その人の結婚へのニーズがよく分からないから

例えば、身近な人が「携帯電話が欲しい。どれを買ったらいいか教えてくれ」と言ってきたとします。その時、皆さんならどうします?いきなり、携帯電話の販売ショップに連れて行きますか。topisyuは、その人がどんな携帯電話が欲しいのかを聞くところから始めます。重さや機能や用途などなど。

 

本人は漠然と「携帯電話が欲しい」としか言わないものを、そうやって条件を提示して、どんな携帯電話が欲しいのか絞り込む。そして、条件を聞いてみると、実は孫とLINEがやりたかったとか、同じキャリアである娘と家族間通話がしたいとかだったり、携帯電話で何をしたいのか、本当の目的が分かってくる。

 

これと同じで、結婚で条件を出すのは結婚に対するニーズを明確化するプロセスです。外野は、本人に条件を出させて、本人のニーズを可視化(自分たちにも見えるように)させる。

 

合った人を紹介できないから

また、条件がないと、それに敵った人を外野が紹介するのが大変になります。

 

topisyuには、ここ5年間ずっと結婚したいと言っている友人が2人います。それぞれに対し、これまで10人ぐらい一般的には条件の良い友人を紹介してきましたが、2人がピンときたことはありませんでした。改めて2人に結婚に対する条件を聞くと、一人は「まずは恋愛をして結婚したい」、もう一人は「年収一千万円以上で都内に土地持ちだけどマザコンじゃない人」ということでした。

 

単純に比較すると後者の人の方がそれに敵った人に出会う確率は低いですけど、紹介する方としては後者の人の方が(存在しているかは別として)気楽です。

 

前者の条件は、条件と言いつつも、結婚のプロセスを語っているだけで、結婚相手に求める条件ではありません。どんな結婚生活を送りたいのかがよく分からない。更に突っ込んでみると、「恋愛したいけど、恋愛の仕方が分からない」と相談されました。これでは、どんな人を紹介していいか分かりません。恋に落ちやすい人はどこにいるのか???(単にパートナーを欠かしたことがないということでいいのか???)

 

ちゃんと条件出させることは外野のお節介な連中にとっては大切なことです。「今彼氏いないの!○○な人がいたら紹介して!!」と言い続けている人には紹介しやすい。

 

結婚も他の商品と同じ

結局、結婚も他の商品と同じなんですよね。結婚を得ることで実現したい何かがある。だから、それを手に入れようとする。でも、一口に結婚と言っても、実現できるものは人それぞれで、周りからは複雑で、よく分からない。下手をすれば本人も結婚の効能を分からずに結婚という商品が欲しいと言っていたりする。

 

だから、結婚したいけど結婚ができていない人がいれば、「どんな条件を相手に望むか」を聞くわけです。条件が可視化されることで、どのような結婚生活を営みたいかが確認でき、その目標を実現するためのアドバイスが提供できるようになる。

 

雨宮さんのケースでも、なぜ結婚したいのかは条件を見ていると何となく分かってきますよね。子供が不要、お金も不要、仕事は邪魔してほしくない、べったりは嫌だ……となれば、相手に求めるのは、がっちりとした運命共同体というものではなく、ライトな人間関係。友達よりも密接だけど、旧来的な日本の家族観とは異なるもの。

 

条件を出すことでこういうことが想像できるわけですよね。こうなれば、どのようにその結婚を実現するのかアドバイスは容易になります。

 

もちろん、本人の中で、結婚に対して確固としたものがある、この人がいい!といったものがあれば、別に条件を出すとかややこしいことはしなくていい。あくまで、自分でも上手く結婚に対する要望を言語化できておらず、人の助けを求めている人がやるのが、結婚の条件出しです。

 

雨宮さんのコラムでは、①自分の結婚の条件を見直す→②どうやらハードルが高いものが多い→③こんな条件ばかり挙げているのはそもそも結婚をする気がないから?ということでしたので、②について、ハードルが高いものではないとしたわけです。

 

出てきた条件を見て、その条件に適う人がどこにいるかということだけではなく、自分が何を求めているか、その条件が他の条件と独立しているかどうかも検討すると、人に説明する用途以外でも、自分を理解することに繋がりますから、言葉に出すことがマイナスになることはないとtopisyuは考えています。