斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

姑とパスタ

この日記は、姑に子どもを預けられるまでの、それまでの姑との思い出を語るものです。
 
話は前後しますが、結婚する前のこと。初めて姑に挨拶に行った時のエピソードは以前に紹介しましたが、その後も何度か打ち合わせもあって姑に会う機会はありました。
 
その度に、料理をふるまわれるものの、特にパスタが自分の口には合いません。よくある他人が作ったものが食べられないという生理的嫌悪感があるというわけではなく、純粋に味付けの問題です。
 
姑は、食が人の健康を作るという信条の下、食材は生協で国内産のものしか買わず、レシピについても外食した際に美味しかったものを自分で再現しようとする、大変料理に拘りがある人です。分かりやすい例として、一食にキノコを平均して三種類は入れます。
 
このように拘りがあるのは、パートナーから聞かずとも棚の料理本などからも分かっていたので、本人に直接「口に合いません」などと言うことは考えませんでした。そんな喧嘩を売るようなことはまだできない。
 
ただ、姑宅(現我が家)からの帰路で、「お義母さんのパスタ、自分の口には合わないんだよね……」とポツリとパートナーに愚痴を言ってしまいました。
 
これは今となれば失敗と分かりますが、当時は何が起こるか分かってなかった。
 
次の機会に姑宅を訪問すると、出来合いのお菓子だけで料理は出てきません。「あれ?」と思って帰り際に、「なんで今日はご飯出なかったんだろうね?他の家族が帰るの待ってたとか?」と聞くと、パートナー「だって、前、口に合わないって言ってたでしょ?伝えておいたよ」との返事。
 
これには一瞬血の気が引きました。次に、「なんてことをしでかすんだこいつは」と腹が立ち、パートナーに「そういうことは言わないこと、言うにしても言い方があること」を丁寧に説明した上で、「お義母さんの料理、嫌いじゃないですからね!ただ、ガラムマサラが苦手なだけです」とフォローの電話をしたのは皆さんのご想像の通りです。(もちろん、ガラムマサラが苦手なわけではありません。)
 
一応事なきを得たものの、今でも姑がパスタをふるまってくれる時には何か後ろめたい気持ちがあります。
 
今なら失敗と分かると書きましたが、食べてきた料理というのはその人自身を作っている文化の一つなんですよね。「口に合わない」なんて言ってしまったらパートナーのバックグラウンドも否定することになる。当時はそんなことにも思いが至っていませんでした。そして、親切心がある人なら、そのまま伝書鳩として働いてくれることも想像できていなかった。
 
その後は、単なる愚痴を言うのは止め、「これは、こういう風に解決するから、お義母さんに話すとしてもこう伝えて」と色々策を練ってパートナーには話すようになりました。
 
姑はそういうこと含め、全て察していると思いますけどね。
 
以上、姑とパスタでした。
 
姑に子どもを預けるまでにはまだまだ長い道のりがあります。