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斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

部下や取引先に無駄な仕事をしてもらわないために明確なゴールを最初に示す

政府が「働き方改革」を推進したり、ブラックな労働環境のある会社が摘発されたり、 世の中的に仕事の仕方が徐々にではありますが変わりつつあります。

管理職の人の中には、会社から「部下に残業をさせないように」というお達しを受けている人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、部下を残業させないようにと言われても、達成することが求められている仕事が大きく減るかといえばそうでもありません。会社は働き方を変える圧力を外から受けている一方で、業績を落とさない圧力も受けていますから、結果的には「仕事の実績はこれまで通りで残業時間は減らしてね」という無茶振りが当たり前になることがあります。

そういう馬鹿げたオーダーは全体として上手く機能するわけがないので減っていくとは思いますが、今はまだ過渡期として、仕事の実績は減らさずに残業時間を減らすというミッションに苦しんでいる管理者はいると思います。

 

私も日々部下や時には取引先の、私がお願いした仕事を終える時間を減らすべく試行錯誤をしていますが、上手くいっている方法の一つに、明確なゴールを設定するというのがあります。

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どういうことかというと、部下や取引先に対し、その仕事のゴールがどこにあるかを仕事を始めてもらう前に明確に示すというものです。

 

仕事をするのに時間がかかる背景には、仕事を受けた人がその仕事のゴールを正確に理解できていないことが原因であることが多々あります。どうすればその仕事が終わるのか、どの程度が仕事の発注者の満足するものなのかが分からないと、往々にして回り道をしたり、発注者の期待にズレた成果物を提供することになったり、オーバースペックな成果物を出してしまったりすることになります。

求めているものと違うということで直しをしてもらうとなると、やり直しが何度も何度も発生しますから、結果的に時間はかかり、発注側も受注側もともに疲弊することになります。

 

そんなわけで、私は上司として部下に仕事をお願いするときや、取引先に対して仕事を発注するときには、最初に仕事のゴールを明確に示すようにしています。「この仕事は誰向けか」「どんなスペックが必要か」「過去の仕事で類似しているものは何か」みたいなことを説明して、仕事を受けた人に明確に成果をイメージさせる。そうすると、仕事を受けた人は仕事をしているときに迷うことややり直しに遭遇することが減り、無駄になるような仕事をしないで済むようになります。

最初にゴールを明確に示すのは少々手間はかかりますが、最終的に全体の作業時間を減らすことができるので、手間をかける意味はあります。

 

あくまで私の経験則として、ゴールを明確に示すのは仕事量の削減に繋がっていますが、注意点もあります。一つは、ゴールを明確に示したからといって、仕事を相手に任せっぱなしにしないことです。必要に応じてチェックをするということ。

ゴールを明確にしても、仕事を受けた人が気付かぬうちにストレートな起動からズレていることはありえます。特にその仕事が初めてであれば当然だし、仕事を発注した段階では気付かなかったハードルがある可能性もあります。

途中途中でズレていないか、困りごとはないかを確認し、時にはゴールを調整したほうがいいこともあります。

相手の負担にならない範囲で、適切なタイミングで、ゴールへの道をストレートに通っているかを確認するのは、これも多少手間はかかりますが、無駄な仕事に関わっている時間を減らすことに繋がります。

ゴールに到達するまでの中間地点を細分化して、こちらも最初に明確に示すことで迷わないようにするというのも有効です。

 

他の注意点としては、仕事を発注した人間が明確にゴールを認識していることでしょうか。言わずもがなですが、発注者がゴールを分かっていなければ、受注者側は永遠にゴールに合う成果物を提供できません。仕事をお願いするのだから、どんなものだと嬉しいかを自分の中でスペックをちゃんと整理できている必要があります。たとえそれが自分が他人から受注した仕事であっても。

 

あとは、実際に仕事量が減ったとして、調子に乗った会社が仕事量を増やそうとするのにも注意が必要です。ある意味、効率的に仕事ができた(成果があった)ということで、もっと効率的にできるのではないかという期待がかかるわけです。あまりに早く仕事が終わった場合は、成果を提出するタイミングを多少後ろ倒しにする(それでも十分早い)みたいな小技を気にかける必要もあるでしょう。

 

私はこんな風にゴールを明確にすることが仕事の効率化につながると考えて実践していますが、ゴールをあえて不明確にしたほうがいいと考えている管理者がいる(多い)のも私は知っています。

理由としては、仕事を受けた人にゴールを自分の頭で想像してもらったり、迷う中で様々な仕事を覚えてもらったりしてほしいという思想があり(「自分の頭で考えろ」思想)、自分自身がそうやって仕事を覚えてきたというのがあると思います。

他人にどうこう言うことではありませんが、私はそういうスタイルだと成果を出せる人が限定的になってしまうので、あまり好ましいとは思っていません。不明確なゴールで仕事の成果を出せるには、他の人からゴールをさりげなく聞き取る人付き合いの上手さや、察しの良さが必要になる。

 

ゴールを明確にして(時にゴールまでの経過を細分化して)仕事を発注するのは、受注者の仕事時間を減らせられるメリット以上に、仕事の受注者を選ばない(誰でもそれなりの成果を出せる)というメリットが大きかったりします。