仕事でもプライベートでも人から相談を受けて、ネガティブな感情を吐露された時にまずしているのが、そういうネガティブな感情を抱くのは特別なことではないと伝えることです。
ネガティブな感情の存在を肯定する
人間、自分のことが一番見えていないことがありますよね。気持ちがどん詰まりの時はこんなことを思っているのは自分だけではないか、誰かに話しても誰も対処できないのではないか、他にももっと大変な人がいるとぐるぐる考え、ドツボにはまることがある。
自分はそのネガティブな感情が特別なことではないと伝えることで、その感情への対処の道があることを示唆するようにしています。ネガティブな感情を認めないで、可視化もさせないで放置しておくと、後で地雷原になりがちなので。
昨日の記事もそういう話でした。
FacebookやInstagramにアップされた素敵な食卓、ブランドの洋服やカバン、インテリア、高級ホテルの写真を見ると嫉妬してしまう - 斗比主閲子の姑日記
せっかくの休日に水を差す嫌なニュース
話は変わりますが、今は金融マーケットはかなり荒れていますよね。
日本国内では、年明けから株式市場に不穏な空気が立ち込めていて、先日は日銀のマイナス金利の導入が話題になり、それにより銀行株を中心とした株安がありつつ、今は円高が進んで、日経平均が続落しています。
昨日もせっかくの休日だったのに、
信用需給で株安加速、TOPIXや日経レバレッジ投信の下落率記録的 - Bloomberg
一連のネガティブな報道を見て、不安を募らせた方もいらっしゃるでしょう。
不安なときに見てみたい恐怖指数
自分だけが不安であると思っていると極端な行動に出てしまうことがあります。こういう時に、見るのをお勧めしたいのが、日本であれば日経VI、アメリカであればVIXです。ボラティリティ・インデックス。恐怖指数と呼ばれているものです。
恐怖指数(きょうふしすう、英: volatility index, VIX)とは、シカゴ・オプション取引所(英語版)(CBOE)が、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出、公表している指数。数値が高いほど投資家が相場の先行きに不透明感を持っているとされる。通常は10から20の間で推移する。
詳しい説明はおいておいて、この指数は数値が高いほど投資家が不安になっていると見ることができると言われています。周りがどれくらい不安であるかが分かるということですね。
今の状況を見ると、日経VIはこんな感じで、
※グラフは指数情報 - 日経平均プロフィルより。文字は後付です。
VIXはこんな感じです。
※グラフは^VIX Interactive Stock Chart | Yahoo! Inc. Stock - Yahoo! Financeより
これを見ると日本の株式市場ではかなり不安が高まっているのが分かりますね。水準としては、10-20ぐらいが標準で、30を超えてくると高い。
ふだんの値の水準はどれぐらいですか。どういうときに値は変わるのですか市場の不安心理の大きさをみる手掛かりに使われています。経験則では 30 がひとつの目安とされ、30 を上回る状況が続くと投資家は現物株の値下がりリスクを意識するといわれています。
過去最大は2008年の金融危機
ちなみに、過去のトレンドとしては、日本の日経VIはデータ収集期間が短いのですが、
※グラフは指数情報 - 日経平均プロフィルより
見て分かる通り2008年のリーマン・ショックの頃が最大だったようです。東日本大震災直後で70だそうなので、今の水準は実はかなり高いことが分かります。もうすぐ50ぐらいに手が届きそう。
過去には 2008 年秋の金融危機のときに 92 の最高値を付けました。2011 年 3 月の東日本大震災直後にも 70 に迫りました。
VIXの方はどうかというと、
- 1990年8月 イラク軍クウェート侵攻 36
- 1997年10月 アジア通貨危機 38
- 2001年9月 アメリカ同時多発テロ 44
- 2003年3月 イラク戦争勃発 34
- 2008年9月 リーマン・ブラザーズ破綻 42
- 2008年10月 世界金融危機 89.53
- 2015年8月24日 中国経済失速懸念 40.74
こんな感じです。今は30弱ぐらいですから、昨年夏の中国経済失速懸念の時に比べるとまだ低いですが、危険水域。
締め
では、周りが不安であることが分かってどうするか……それは特に申し上げるつもりはありません。自分は投資のプロでもないですし、そもそも、悩み事でも、最終的にどうするかは相談者本人が決めるものですから。
ただ、悩んでいるのが自分だけではない知ることで楽になる部分もありますし、それだけで極端な行動に出にくくなります。周りを見渡す余裕も出てくる。
特に投資の場合は、お金がリスクに応じて回遊魚みたいにグルグル回るところがありますからね。今何のリスクが高まって、どこにお金が集まっているのか知るのは意味があります。
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以前書いた投資絡みの記事を紹介しておきます。お金が余っていないのに投資をするのはお勧めしないというところがスタートです。
今から株式投資をしたいという友人との会話書き起こし(前編) - 斗比主閲子の姑日記
今から株式投資をしたいという友人との会話書き起こし(中編) - 斗比主閲子の姑日記
今から株式投資をしたいという友人との会話書き起こし(後編) - 斗比主閲子の姑日記
本ならこれですね。