斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

ハフィントン・ポストでBlogを書くことになりました

ハフィントン・ポスト(以下、面倒なので「ハフポ」)でBlogを書くことになりました。その経緯とハフポのまとめを書きます。お好きな人だけどうぞ。

 

ハフィントン・ポストとは

まずは簡単にハフポの説明から。

ハフポは、アメリカのウェブ上のニュースメディアです。政治的にはリベラル寄り。過去にはオバマ大統領やクリントン元大統領などが寄稿したこともあり、3000人以上のお抱えブロガーを持ちます。2011年に、AOLが260億円で買収しました。(その後、AOLの株価は回復基調)

日本ではハフィントン・ポスト・ジャパンが、朝日新聞とAOL(の子会社)との合弁会社として設立され、運営されています。

日本版「ザ・ハフィントン・ポスト」 未来メディアプロジェクト - 朝日新聞社CSR報告書・会社案内:朝日新聞社インフォメーション

 

日本版でもお抱えブロガーがおり(以下、敬称略)、安倍晋三、岡田克也、枝野幸男、石破茂、野田聖子といった有名政治家、田原総一朗、森達也、堀江貴文、佐々木俊尚、津田大介といった著名人で合計200名ほどです。豪華ですね。ブロガーはハフポの方が声を掛けていたり、自推・他推のもとハフポの方が選定されて、集められているようです。

 

はてなユーザーでは、シロクマの屑籠id:p_shirokumaさん、むしブロid:horikawadさん、デマこいてんじゃねえ!id:Rootportさんなどお馴染みの方々が参加されています。(追記:漢字だったので気付かなかった!Ohnoblog 2id:ohnosakikoさんも!!)

熊代亨
堀川大樹
Rootport
大野左紀子

 

topisyuにはこれらの方と同じようにハフポのブロガー枠で、記事を投稿して欲しいということでした。

 

経緯

昨年夏に寄稿した『久谷女子便り』繋がりで、ハフポの記者である猪谷千香さんに紹介されたという久谷女子のKKK並みの闇ネットワーク……というわけではなく、普通にハフポの編集(ブログ担当)の方からお誘いメールが来ました。

どうやら保活の記事が目に止まったようで、topisyuの文章がハフポの対象である団塊ジュニア層(1970年代生まれ)向けに望ましいと考えられたようです。

妊娠前から始める人もいる保活のまとめ - 斗比主閲子の姑日記

 

釣りと疑う

最初は、『久谷女子便り』の寄稿を依頼された時と同様、釣りと疑い、メールを送られてきた方のTwitterやFacebookアカウントをチェックし、送られてきたメールの句読点の付け方や文節の切り方を1時間ぐらいでチェックした上で、恐らく本物であろうと仮説を立て、いくつか質問し検証することとしました。

 

Q1.ハフポではコメント欄が検閲制であり炎上を防げるというメリットがあると聞いているが、炎上は気にしないので無検閲とすることは可能か?
A1.仕組み上、特定のBlogのコメント欄のみ無検閲とすることはできない。ただし、コメントが右寄りだとか、左寄りだとかそういった理由で掲載しないことはなく、ネガティブなコメントが連投されたときに掲載しないことがあるぐらいだ。

 

Q2.プロフィールは匿名(本人情報を公開しない)とすることも可能か?
A2.匿名で問題ない。

 

Q3.この質疑応答など、そもそもの勧誘のメールをはてなブログで引用してもよいか。
A3.引用は断っているが、自らの言葉で書くのであれば問題ない。

 

以上の回答が短時間で返ってきたこと、ハフポの内部の人間でなければ入手できないだろう資料が添付されてきたことから本物だと確信しました。(Q1については、発言小町と同様にコメントだけをチェックする部隊がいると考えていたため想定内でしたし、Q2については、id:Rootportさんが匿名プロフィールであったため問題ないだろうと推測していました。)

 

ハフポの評判と意図を探る

topisyuはハフポの日本版が昨年5月にスタートしていたのは知っていましたが、その後の評判はあまり見かけた記憶がありませんでした。そのため、上記の回答が返ってくるまでの間、どういった評判があるのか、どのような意図を持ってtopisyuに声をかけてきたのかを検討してみることにしました。

 

ネット上の評判

まず、はてなブックマーク上の評判はかなり悪いものです。

はてなブックマーク - ハフィントンポスト - ニュース速報まとめと、有識者と個人をつなぐソーシャルニュース(ハフポスト、ハフポ)

同じくブログメディアという意味で共通点のあるBLOGOSとの違いは何かというのがポイントとなっている模様。

 

言及しているブログをチェックすると、

Gunosy炎上とハフィントン・ポスト、楽しいインターネットの未来 - b

ハフィントン・ポスト日本版のトップには、津田大介・佐々木俊尚・田原総一朗、政治家では枝野幸男・野田聖子ら、ウェブ上で既に一定の地位を得た者の名前が並ぶ。東浩紀は「編集者ってほんと趣味イコール仕事で自分たちの業界の本しか読まないから、みな注目しているひとが似ている。同じひとを取り合って新書だしたり雑誌つくったりしている。そしてあっというまに飽和する」と批判するように、ハフィントン・ポストもまた、みなが注目する同じ人で構成されてしまっているのだ。また、これ以外にも何人か僕の知らない投稿者がいるが、少なくとも現在のUIでは、そこには目が行かない以上、どうしようもない。ハフィントン・ポスト日本版は、この課題を乗り越え、新しいライターを輩出していけるのだろうか。

ライター(ここでは恐らくブロガー)に他媒体との差がないらしく、

ハフィントンポストに対するイライラ~良質なコメント言論空間のために捨てられたもの~ - yamachan blog (社会派うどん人の日常)

 だが、コメント投稿ボタンを押してコメントが載るのに、数時間もかかるという状況は事務局人員の大幅増員でもない限り、短期的には変わらない。この状態はネットの情報伝達のスピード感に慣れた私たちにとって、致命的にイライラすることなのではないだろうか?

コメントの掲載に時間がかかるらしく、

Gunosy/ハフポ/Cakes WEBサービスの今についてあれこれ思う | 乱れなよ、そして召されなよ

「良質な記事を発信し」「ポジティブな議論ができる空間」を作ることに関しては見事に達成できています。ブロガーのスカウトもさすがと唸るレベルで行われています。

しかし、ハフィントン・ポストがハフィントン・ポストであるうちは空気で在り続けるでしょう。

文章の品質は高いもののグッと議論をしたくなるような論調にはなりにくいですし、強めのコメントも書けないととなればコメントの発展性に欠けますし、そんな無難な文章はWebでは広がりにくいものです。

あまりにも潔癖過ぎるために議論が盛り上がらないらしく、

ハフィントンポストとかほんと何だよ。朝日新聞は目を醒ませよ。: やまもといちろうBLOG(ブログ)

っていうか、あんだけ偉そうなこと言ってて、あのハフィントンポスト日本版のサイトはなんなんだよ。更新も少なければ記事も「ここでしか読めない」ネタもない、毎日何かあるかと思って訪れちゃった私が馬鹿みたいじゃないですか。

面白くないようです。

 

実際のハフィントン・ポスト

上記のコメントはほとんど昨年5月~6月のものばかりなので、今どうなっているかチェックしてみました。

 

まず、ブロガー一覧がこちら。

トップ記事 / ブロガー一覧

あいうえお順で、凄い方々が並んでいます。合計200名で、女性は一割ぐらい。どれくらい投稿しているのか、一人一人チェックしてみると、ほとんど更新されていない方が5割以上です。例えば、安倍総理大臣は、

安倍晋三

1記事しか書いていませんし、他の政治家の方も最初の頃だけ。

 

田原総一朗さん、森達也さん、佐々木俊尚さん、津田大介さんもこの11ヶ月で3~4記事程度で、更新頻度が高い著名人だと堀江貴文さんでしょうか。毎週更新されています。

堀江貴文

 

コメント数も同じページで見られますが、多くて50ぐらいで、ほとんどが10未満の様子。

 

アクセス数はAlexaを参考値として見る限り増えている様子。ただ、日本全体で275番目で、週刊文春やTBSと同じぐらいで、競合であるBLOGOSが213番目と、まだ開きがありそうです。

Huffingtonpost.jp Site Info

 

個別記事のアクセス数は、多くて10万行かず、大体1000前後ぐらいな印象です。中堅ブログより少ない?

 

Blog開設依頼の意図

これらをチェックして思ったのは、恐らく、

  • 他メディアにはいないブロガーが欲しい
  • 女性向けのコンテンツが欲しい
  • 更新頻度が高いブロガーが欲しい

ということで、今回topisyuに対し、Blog開設依頼が来たのではないかと考えました。なお、開設のお誘いをされた編集の方のTwitterを拝見すると、はてなブックマークのホットエントリーをよくチェックされているようなので、はてなブロガーは比較的目に入りやすかったのではないかとも推測しています。

 

掲載の前提

なお、開設においては、以下の様な前提が提示されていました。

  1. Blogの記事の執筆料は無料
  2. 更新頻度は自由
  3. 他の記事の転載でも、オリジナル記事でも良い
  4. 記事の投稿においては事前検閲あり

4が特徴的ですね。クオリティを維持したいのでしょうが、それが仇になったこともあったようです。

POLAR BEAR BLOG: ハフィントンポスト日本版に対する懸念というか不安。

 

これらを総合的に検討した上で、topisyuは、ハフポにBlogを開設することを応諾しました。

 

開設する理由

メディアとしては、自らのBlogに比べてアクセス数も多くなさそうですし、コメントも得られにくいというデメリットはあります。はてなブックマーク数も、あのIRORIOが11万弱あるのに、ハフポは6万ぐらいで負けるぐらいです(もちろん運営期間の違いはありますが)。

ただ、topisyuのような得体の知れない人間に声をかけられたこと(自分でも斗比主閲子という名前に違和感があるので、メールで"斗比主閲子さま"と書かれるとギョッとします)、メール対応が誠実であったこと、高名な方々の中にプロフィールにフェイクがある胡散臭い人物が紛れ込むことの面白さ、これまでと違う読者層にリーチできそうなことから開設することにしました。

また、最近このはてなブログで、依頼を受けているうちに、物凄く真面目な記事を更新することが増えてきていて、元々書いていた釣り解説や姑の話がどっかいっちゃっている感じがしてきたのも気になっていました。周知が目的の真面目な話はハフポに投稿して、ブログの使い分けができるといいなと考えました。

 

締め

ということで、長くなりましたが、こちらがハフポのtopisyuのBlogページとなります。

URL:斗比主閲子

使用アイコン:

f:id:topisyu:20140401033226p:plain

プロフィール:

◆斗比主閲子(とぴしゅ・えつこ)

『年齢は35-40歳。旧帝大卒業後、一部上場企業に勤務。外資系企業含め複数回転職を経験し、現在は某企業のIR部門に所属。今年X人目の子供が生まれたため現在は育児休暇を取得中。2.5世帯住宅に住み、日々姑と対決中……』のブロガー。

※プロフィールは都合によりフェイクあり

 

出産、育児、介護、相続などに関連した家庭内トラブルに造詣が深く、TwitterやBlogを介し日々相談事を受け付けている。

 

Twitter : トピシュ (topisyu) on Twitter

Blog: 斗比主閲子の姑日記

Mail: etsuko.topisyu(アット)gmail.com (アットは@に)

初回記事はこちらです。真面目です。

『子供は2人で豊かな暮らし』~政策が与える出生数への影響~ | 斗比主閲子

 

多分、このはてなブログからの転載はないと思います。ハフポ向けの話題は少ないし、ほとんどが長文であるため読者層のニーズともマッチしていませんし、読売新聞が運営する発言小町へのリンクを張りまくっていると検閲で掲載されない気がするので。真面目な話が必然的に多くなりますが、そういうのが読みたい方はこちらをチェックして下さい。

運用して何か気付いたことがあったらまた書きます。Blogが削除されていたらお察し下さい。

 

以上、本題です。以下、余談です。

 

 

 

余談

お誘いメールの中で、"ハフポは団塊ジュニアのビジネスマンがターゲット"とあったのですが、ビジネスマンという言葉はpolitically incorrectなので、ハフポのブロガーをリベラル寄りで集められるなら、ビジネスパーソンとされた方がいいのではないかと思いました。