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斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

ドラえもんと図書館戦争だけの家庭と、3歳までに1万冊の絵本を読み聞かせする家庭

今日の法律・統計 子育て 読み物 教育 お勧めの○○

今週は『本』特集ということで、今日は図書館についてです。 まずは、図書館利用にまつわる読者からのエピソードを紹介します。

 

離婚した元夫の家族は読書習慣がなかった

トピシュさんのブログかTwitterを見ていて、図書館利用について、私の元夫(Sさん)と元夫の弟さんとのやり取りを思い出しました。特にほっこりするという話ではないかもしれませんが、お送りします。

まず、前提なんですが、

  • Sさんのお父さん、Sさん(長男)は同じ工業団地で働く
  • Sさん弟(次男)も製造工場の契約社員

とどっちかといえば、ブルーカラーです。ちなみにSさんのお母さんは小売で販売員の仕事をしてらっしゃったそうです。

そこで本題ですが、Sさん弟さんにはお子さんがいらっしゃって、ドラえもんの漫画を中学生になってもひたすら読み続けて、他の活字を読まないのをSさんが心配してたんです。

私からは「そんなに心配するなら、中学生が好みそうな本を勧めてあげたらいいんじゃない?」って言ったんですが、Sさんは「俺はどういうのがいいか分からん」と仰る。ただ、甥っ子は寝ても覚めてもドラえもんを見続けてるらしく(アニメも漫画も)、Sさんはそれが気になって仕方なかったようなので、ついに「図書館にでも行ってなんか他の本でも借りてきたら」とその甥っ子に勧めたそうです。私がこういうの中学校の時読んでいたというのをSさんには紹介してみたんですけど、それを甥っ子に伝えたかどうかは知りません。

Sさん自身もあまり本を読むほうではありませんでした。私が「これ面白いよ」って貸そうとしても、「いや、いい」と言って読もうとしませんでしたし。ちなみに有川浩さんの図書館戦争の漫画は書棚に置いてあったので、Sさんは有川さんの本は読んでいたと思います。それ以外の(漫画以外の)いわゆる活字の書籍は見かけませんでした。弟さんも、Sさんご両親もいい人たちでしたが、本を読む習慣がある家庭じゃないだろうなというのはなんとなく感じられました。

私自身は、まわりにブルーカラーの職業の人があまりいない環境で育っ てきたので、多少の偏見もあったのかもしれませんが、それでもこんなに本を読まない人たちもいるものかと驚きましたね。Sさんご一家は、甥っ子のことがなければ図書館に行くなんて発想も持ったことがなさそうだった。もしかしたら漫画があることが分かっている図書館であれば行っていたのかもしれないですが。

私がSさんと離婚したのは、Sさんの話題が毎日会社の愚痴と同じ話の繰り返しで面白くなかったというのも多少要因には入っています。ある程度新しい知識をどういう媒体であれ仕入れようとする姿勢はどういう職種でも必要なんじゃないかなと私は思いますので、次に結婚することがあるとすれば最低限図書館を利用することに抵抗のない方のほうが私にとってはいいのかなと思った次第です。

 

本を読むから高所得か、高学歴だから図書館を利用するのか

これは読者からの一エピソードに過ぎませんが、読書習慣や図書館利用の各家庭での状況を垣間見ることのできる、典型的なものかなと思います。統計的には、図書館は高学歴であればあるほど利用しているし、親が読書をしているほど子どもも読書をするという傾向があります。

この前も、本で囲まれた子どもとそうでない子どもについての比較研究が紹介されていましたが、

たくさんの本に囲まれて育った子どもにはどのようなメリットがあるのかを6000人を対象に研究 - GIGAZINE

"ほとんど本のない家庭で育った人は、高等教育を受けても収入の増加幅は5%でしたが、多くの本に囲まれて育った人はなんと21%も増加"←高等教育を受けた人間の中での比較。

2016/05/31 11:10

同じ高等教育を受けたな中でも差が出たということが確認できたり、

低所得層でも学力の高い子どもの特徴として、『保護者が「子どもに本や新聞を読むようにすすめている」「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」「子どもと一緒に図書館へ行く」など、読書に関する働きかけをしてきてる。』というのがあるなど、本と学力と所得の関係については色々な切り口で確認されているところがあります。

 

3歳までに1万冊の読み聞かせ

どれくらい読み聞かせをすると学力に効くかについては色々調べてみたんですが、信頼できそうなところだとこんなところでした。 

要は毎日15分ぐらいといったところですね。これはアメリカの例。 

最近たまたま読んだ、 

「灘→東大理III」の3兄弟を育てた母が明かす志望校に合格するために知っておきたい130のこと

「灘→東大理III」の3兄弟を育てた母が明かす志望校に合格するために知っておきたい130のこと

  • 作者: 佐藤亮子
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2016/04/20
  • メディア: 単行本
 

この本では、子どもの学力向上に何が寄するか私が確認したエビデンスと同じことをやっていることが多く、面白いなと読んでいたんですが、とあるページで思わず声が出てしまいました。

絵本を読む量ですが、私は「3歳までに1万冊」を一つの目安にしていました。ものすごり量に聞こえるかもしれませんが、1日10冊を積み重ねていくと、だいたい3歳までに1万冊の計算になります。

(中略)

図書館にはいい絵本ばかり置いてありますから、有効活用しました。毎週、我が家は家族総出で借りに行っていました。

(P.55-56)

3歳までに1万冊というのは凄まじいですよね。恐らく延べ数であり、ほとんど図書館で借りたものだと思いますが。なお、絵本は親子のコミュニケーション手段でもあることも他の項で触れられています。バランスが取れている。

 

趣味としての漫画と本

ちょっと真面目な話に寄りすぎちゃったので趣味としての読書について。

大体10歳ぐらいまで親子で本を読むのは学力的に効きますけど、本を読む目的が学力向上だけということだともったいないところはありますよね。読書それ自体が楽しいものですから。

エピソードを投稿された方の場合は、読書習慣が相手になかったからというより、自分が面白いと思ったものを相手と共有できなかったというのが厳しかったんじゃないかなという気はします。好きな本をお勧めしても読んでもらえないというところですね。

私もこのブログではよく漫画や本を紹介しています。自分が読むだけでも楽しいし、それを誰かとシェアするのも楽しい。一応紹介している漫画や本はどれも夫婦で(たまに子どもとも)楽しんでいます。娯楽をある程度共有でき、それを使って会話ができるのは楽しい。

 

締め

このエピソードで紹介されている漫画や本の例が、ドラえもんと図書館戦争というのは、色々想像力が働きますよね。コマッチャ(発言小町読者)としては。

ドラえもんは、言っちゃえば、勉強も運動もできないのび太によるドラえもんを使った一発逆転ストーリー(とその甥っ子が受け止めている可能性はある)。ドラえもんばかり読んでいることを心配するより、そういうストーリーを心が求めている背景に焦点を当ててみるとまた違った展開もあったかなという気はします。甥っ子は学校でいじめられていないかとか、勉強ができなくてコンプレックスを感じているんじゃないかとかですね。

仮に本をどうしても読ませたいということであれば、短めのあっと驚く展開がある作品を紹介すると、甥っ子としても入りやすかったんじゃないかという気はします。星新一さんのショートショートとか。

補足しておくと、別にドラえもん>星新一ということではないですからね! このケースで、Sさんが甥っ子にどうしても本を読んでで欲しいというなら、星新一さんの小説が入りやすいんじゃないかということです。

漫画がドラえもんだけなのが何か問題に感じるなら、藤子・F・不二雄さんの短編集にいくのも入りやすい。『ミノタウロスの皿』とか。 

ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

 
気楽に殺ろうよ (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

気楽に殺ろうよ (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

 

図書館戦争については、メディア良化法が制定されたというパラレルワールドの日本での話で、作品の中で焚書のシーンがある。図書館と国が本を巡って戦争もする。それを、本を普段読まず図書館も利用しないSさんが何を思って読んでいたのかは知りたいところです。 

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

 

 

以上、図書館利用についてでした。明日は、のぶみさんのとある絵本についてのモヤモヤレビューとなります。お楽しみに!