斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

AERAの嫌婚特集でオチ要員にされているphaさん(京大卒ニート)

このTweetをたまたま見かけて、AERAを読んでみました。

AERAで結婚となると嫌な予感しかしませんよね。読んでみたら、やはりいつも通りのAERAで、「ああ、いつも通りだな」と思ったのですが、このphaさんがオチ要員にされているなど、AERAらしさが素晴らしい特集だったので、紹介します。

AERA(アエラ) 2015年 6/22 号 [雑誌]

※この挑発的な表紙(笑)

 

嫌婚の"分析"

「結婚はコスパが悪い」という題字が表紙を飾っていますが、特集としては、『嫌婚の正体』ということで、AERAらしく上から目線で独身男女を"分析"していきます。

 

最初に、『結婚はコスパが悪い』と称して、5人の独身男女とphaさんへのインタビューがあります。これは後で詳しく触れます。

 

続いて、『こじらせ女子は未婚の過剰防衛?』という、大変偏見に満ちたこじらせ女子の6分類が紹介されています。具体的には、するする詐欺系こじらせ女子、理詰めドS系こじらせ女子、ヒモ貢ぎ母性系こじらせ女子、2次元腐女子系こじらせ女子、サバサバ偽装系こじらせ女子、冷え取り系こじらせ女子です。こういうこじらせ女子が未婚者の増加と一緒に増えているということが書かれています。それと、辛酸なめ子さん、ゆうきゆうさん、上野千鶴子さん等へのインタビュー。

このテーマでの結論は、

フェミニズムの権威でさえも達観するまでの道のりは平坦ではなかった模様。いわんや、こじらせをや。こじらせ女子の苦悩はまだ続きそうだ。

と、やはりAERAらしい上から目線です。ここでのフェミニズムの権威とは上野千鶴子さん。話を聞いておきながら、上野千鶴子さんが(女性としての傷つかない生き方について)達観するまで大変だったみたいとか、凄いですよね。

なお、こじらせ女子自体は雨宮まみさんの本がきっかけに使われ始めた言葉だと思うのですが、元の本から随分離れた風に使われている印象があります。

女子をこじらせて (幻冬舎文庫)

女子をこじらせて (幻冬舎文庫)

 

※雨宮さんの『女子をこじらせて』の文庫版では、上野千鶴子さんが解説を書いています。一部はちづこのブログで読めます。

 

お次は、『選り好み強い「美食系」』と題して、AERAが実施した独身男女へのアンケート結果の紹介。ここでも上から目線です。社会学者の水無田気流さんのコメントを紹介し、

「恋愛がわずらわしいというのは、恋愛や結婚のハードルを高く設定しすぎて、選り好みが強くなり、よほど理想的な相手でない限りは挑戦しようとしないから。草食系なのではなく『美食系』。女性は白馬の王子様をいつまでも待ち続けているし、男性のほうも理想の白雪姫が起きてくるのをただ待っているのです」

嫌婚派(AERAが定義したもの。経済的な理由に限らず結婚したがらない人たちのこと)を相手を選り好みする美食系とします。

 

その次は、『できれば原石級の女性に出会いたい』という題で、高スペック男性とする年収が600万円~1500万円ぐらいの独身男性の結婚相手に求めるこだわりを座談会形式で聞き出します。中身は察してください。

 

後は、先日話題になったぼっち婚の紹介をしたり、独身男女のマネー周りの相談事を紹介したり、甘糟りり子さんとジェーン・スーさんがキックボクシングをしたりしています。後半はまだ分かるんですけどね。紹介した前半部分は、結婚しない男女を珍獣扱いして"分析"していて、やっぱりAERAだなぁと安心しました。人を小馬鹿にしたところがAERAのいいところですよね。

 

オチ要員としてのphaさん

特集記事の最初の『結婚はコスパが悪い』に戻ります。ここでは5人の独身男女が登場します。

 

一人目は、ひとり暮らしの寝室の壁にホワイトボードをかけて、「卒業するまでに本を出す」「海外を見据えた語学力、プレゼン力」「自己ブランディング」といった標語を書いて、20倍の競争を勝ち抜いて転職した会社で働きながら東大の大学院に通うユウジさん(31)。

二人目は、朝食はデパートで買ったグラノーラとカットフルーツ、ウォーターサーバーの水を飲み干して出勤し、日中は分刻みで打ち合わせをこなし、夜は「タワーマンションの最上階で料理を作って食べる会」などの交流会に参加する、PR会社勤務のケイコさん(36)。

三人目は、年収が高く、海外勤務も経験、社会人リーグのコーチを務めるほどスポーツ万能、結婚相談所に登録すれば「売り手市場」だとは分かっているけれど、相談所に頼らないと結婚できない自分を許せない、商社勤務のアキラさん(40)。

四人目は、「普通のサラリーマンより稼いでいる」と自負し、結婚した職場の後輩の相手を「焦ったばかりに、あんなのに捕まって。私から言わせればポンコツ」と称し、ストレス発散のため月5万円以上飲み会をし、休日はヨガ教室に通う、首都圏の病院のICUで働く看護師のミキさん(39)。

五人目は、革張りのソファが欲しいとか、水回りの掃除をしてとか、そういうことを主張する妻に我慢の限界で離婚して、今は買ったばかりのオーディオセットで、映画を見るのが楽しみの、タカシさん(35)。

この5人のインタビューが簡単に掲載されています。今が充実しているし、パートナーは邪魔になるから結婚する意味ない、コスパが悪いと語る。

この5人、たぶん、AERAの読者から募集したんだと思うんですが、(最後のタカシさんはまだまだだけど)さすがAERAというラインナップですよね。これ、自分が悪意をもってプロフィールを騙っているんじゃなくて、AERAに書いている表現そのままを抜き出しているだけですから。

なお関係ないですが、AERA購読者の平均年収は662万円です。

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※画像は、特別広告企画AERA for Woman企画提案書より。印刷照明は印刷証明の間違いだと思います。

 

そんな今が充実した5人ですが、最後のほうで「でも一人は寂しい……」という流れが出てきて、

家族がいる安心感はほかでは代えられない。そう思っていたら、それさえも、もっと手軽にコスパのいい手段があるという。

ということで、満を持して京大卒ニートとしてphaさん(36)が紹介されます。

phaさんは、ネット関連のわずかな収入で、好きな時に起きて、好きな時間に寝る生活の自称ニート。以前は大阪で会社勤めをしていたが、就職すると友人との縁も薄れ、周囲に気の合う人もいなかった。

phaさんはこんな経験もあり、シェアハウスなど、家族とは違うゆるやかな繋がりが作れるんじゃないかと提唱している。そして、結論が、

今はまだ、「結婚したい」とかんがえる人が主流だ。だが、phaさんが思い描くような、流動性が高く、相互に助け合える社会が実現したら、本当に結婚する理由がなくなってしまう。

もうすぐ、結婚はあらゆる面でコスパが悪い時代が到来する。

これで締められます。 

 

一見するとなるほどと言えなくもない話の流れなんですけど、よくよく見てみるとphaさんと紹介された5人はほぼ正反対なんですよね。仕事での交友関係を広げるの大好きで、年収やキャリアアップにも熱心、物に執着がある。

phaさんもそういう人のことを否定しているわけではないと思いますが、近著のタイトルでも分かる通り、明らかにその方向性じゃない。

たぶん、AERAとしてはそれらしい結論を用意したかっただけなんですよね。オチ要員としてのphaさん。これがその5人に「シェアハウスなんかはどうですか?」「ゆるい共同体について興味ありますか?」と聞いていればまだ分かるけど、それもない。

 

締め

ということで、AERAの嫌婚特集でした。

AERAらしいキラキラしたプロフィールの独身男女を紹介して、その人たちが溜飲を下げられるような結論を出しつつ、でも実態は珍獣紹介をしているという構図を作り出すのは、「さすがAERA!匠の技だ」と感心します。

ちなみに、結婚のコスパが悪いというのはどうも流行りつつある話題なようで、先日も毎日新聞で、公務員4年目で手取り月収40万円というスーパー公務員へのインタビューが掲載されていました。

この時も触れたんですけど、結婚のコスパが悪いという話って、もっぱら相手が専業主夫/主婦になって、その上で浪費するという前提で言われているものが多いと思うんですよね。扶養控除も減らされていっているし。後は子どもの養育費を気にしている。

それこそ、DINKS(共働き子無し夫婦)だったら生活費は下がります。コスパは良い。法律婚のデメリットを嫌うなら事実婚などを選択してもいい。どんな形がいいかは人それぞれ決めればよくて、相手が専業主夫/主婦であっても取り組み方次第では十分コスパがいい時もある。

雑誌や新聞が結婚のコスパの話に触れるなら、ちゃんとどんなコストがあって、どんなパフォーマンスがあるのか、リスクとリターンについて定量的に分析して欲しいと思うのは自分だけでしょうか。

以上、本題です。以下、余談です。id:phaさんだけどうぞ。

 

 

 

余談:phaさん向け恋愛トピ

phaさんは以前tumblr時代の自分のブログを読んでくれていました。今はどうか分からないんですが、その時は、恋愛系の発言小町のトピが他人事として見ていて楽しいという話だったので、この記事がご本人に届いた時用に、そういうほっこりする恋愛系の相談を紹介しておきます。

同棲を始めて1週間、彼から出ていけと言われてます。 : 恋愛・結婚・離婚 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

同棲前に少し「ん?」と気になっていた事があります。
それは、2人でよく居酒屋とかに食事に行っていました。
いつもは割り勘でしたが、2回程、彼が「今日はお金、おろすの忘れた。」と言うので、
「じゃあ今回は奢るから、次回奢ってね。」と、その時は私が全額払い、
その数日後に彼に連れて行かれたのは、居酒屋ではなく、定食屋さんでした。

ケチな彼についての相談です。

 

急に良く見えてきた幼馴染み : 恋愛・結婚・離婚 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

二ヶ月ほど前に、実家の近くに住んでいる幼馴染みが会社の出向から地元に戻ってきています。
実はこの幼馴染みには息子の父親と付き合う前に告白をされていたのですが、
性格は柔和で顔も悪くない幼馴染みではあるのですが、その頃の私は男臭い人が好きだったので
好みではないから付き合えないと断った経緯があります。

私も大人になりまして、その視点で幼馴染みと再会したわけですが、
性格良くて子供にも優しいし、安定した収入がある彼がものすごい優良物件に見えてきました。

母子家庭の母親であるトピ主さんにとって幼馴染が優良物件に見えてきたという話です。

 

架空の人物と寿退職 : 恋愛・結婚・離婚 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

転職と寿では全く違うし、きちんと報告したいと言うと、寿でもいいけど、自分じゃない別の架空の人物を作って寿退職してほしい。もしくは、女性陣へは本当の事を言ってもいいけど、男性陣に伝わらないように口止めしてほしいというのです。

こんなこともあり別れを覚悟したけれど、実は……ということですっきり解決します。

 

彼氏が職場の女上司に… : 恋愛・結婚・離婚 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

私には付き合ってもうすぐ半年になる彼氏がいます。
彼氏の職場の20歳ぐらい上の女上司(以下A)が嫌です。
Aは2年ぐらい前から彼のことが好きでアタックしてるみたいです

LINE経由だそうですが猛烈なアタックをされています。

 

こんなところでしょうか。また、面白いトピがあればブログで紹介します。