斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「はてなブログで障害児育児の漫画を描いているけど、炎上する? 仕事に繋がる? 漫画家になれる?」

今回はブログ相談みたいなものです。

はてなブログで障害児育児漫画を続けていいのか?

斗比主さん

はじめまして。いつも楽しく読ませていただいております。はてなブログで障害児育児漫画を描いている泉谷はつみと申します。

ポン太一家の冒険

トピシュさんがお好きなモヤモヤかどうか自信がないのですが、漫画やはてなブログに詳しいトピシュさんからアドバイスをいただけたらありがたいと思いメールさせていただきました。

2年半前、40代にして私は漫画家になりたくて、アメブロでコミックエッセイ「ポン太一家の冒険」を描き始めました。実はそれ以前もアメブロでまったく違うテーマのブログを書いており(文章のみのブログでした)、たくさんの人に読んでもらってとても楽しかったので、こういうことを仕事にしたいと思ったのです。

しかし20本ちかく描いたところで、このまま続けて仕事につながるのか、心配になってきました。アメブロには似たような育児漫画を描く人がたくさんいるし、ここで続けても先がないんじゃないか。そう考えてseesaaブログに移り、使いにくくて挫折し、はてなブログに流れてきました。はてなは書きやすいですね。だけど今、私は悩んでいます。

 

①はてなブログで育児漫画を続けて大丈夫なのか。

はてなは育児漫画と相性がよくないのかな~といまさら気づきました。男性ははてな、女性はアメブロとすみわけがあるんですね。はてなでやっていけてる女性はしっかりした方ばかりですし、私は天然ボケタイプなので心配です。炎上する前に別のブログサービスに移るべきでしょうか。

②漫画の方向性はこれでいいのか。

基本ネガティブで読んでもぜんぜんほっこりしません。テーマが暗いかな、絵はカラーがいいかな、四コマがいいかな、文章主体でたまにイラストがいいかな、、、でもこのネガティブさがこの漫画の特徴だし。どういうものが仕事につながるんでしょう。悩みます。 

③そもそもブログに漫画をのせて漫画家になれるのか。見込みはあるのか。

私より漫画が上手なひとはたくさんいる。見込みがないならパートを探したほうがいいんじゃないか、とふと思います。。。ブログの相談か人生相談かわからなくなってきましたが、もしアドバイスいただけるならうれしいです。

 

実は、topisyuさんに相談のメールをお送りしたのは、とある育児系ブログがはてなブログから移転したころの出来事にショックを受けたことがきっかけでした。記事へのブックマークコメントをみて、えっ、こんな風に受け取られるのか、と考え込んでしまいました。

topisyuさんは「育児がテーマだと燃えやすい」と書かれていましたが、ほんとにその通りですね。それでなくても、もともと障害児育児ブログは非難されやすいジャンルです。

障害児育児のブログを書いているほとんどの方は、

「迷惑なので外に出さないでください」

「あなたに育てられて子どもがかわいそう」

「文句があるなら学校に行かなければいい」

系のコメントを書かれた経験があります。私もアメブロのころにそのようなメッセージをいくつも受け取りました。

それなのに、はてなで『発達障害児の育児漫画』を描くのは場違いなのでは…私には無理では…と不安が募って相談させていただきました。

よろしくお願いいたします。

泉谷はつみ

 

続けていいと思いますよ

泉谷はつみさん

メールありがとうございます!

漫画やはてなブログに詳しいトピシュさん

ということですけど、私は漫画やブログを生業にしているわけではありません。ただ、趣味で漫画を読み、ブログを書いているだけです。その前提でお読みください。

あくまで私の個人的な意見ですが、はてなブログでコミックエッセイを描くのは悪い方法ではないと思います。実際、ブログ発で本を出版している人は結構いますからね。

 

はてなブログでの成功法則

はてなブログのいいところは、コンテンツ提供者としてみると、一発逆転しやすいところです。関連サービスであるはてなブックマークでホットエントリーになると、それまでアクセス数が10ぐらいでも、一時的に10000ぐらいに上がります。アメブロやseesaaとか他のブログだとこういう仕組みはないんじゃないですかね。

例えば、この人は、学校の先生をやられていて、それまではあまりブログは更新されてなかったんですけど、とある記事をきっかけに、

先輩パパからのアドバイスに補足しよう! - パパ教員の戯れ言日記

アクセス数が物凄く増えたようです。その後、更新頻度も増えてる。ブログタイトルも変わった。

ぶおおおおおおおおお - パパ教員の戯れ言日記

ホットエントリーに入ると、一時的にアクセス数が増えるだけではなく、はてなでの露出が増えるので、はてな利用者の購読者も増えます。上で紹介した人は、私が購読者登録した時点では確か50人ぐらいだった購読者が今は150人ぐらいになっていますね。

購読者が増えれば、その購読者がブックマークする可能性もありますので、その後も継続的にブログを更新し続けていれば、雪だるま式にアクセス数や購読者を増やせるようになります。

これが典型的なはてなブログでの成功法則です。いくつかヒットすればお手軽にそれなりのブログが作れる。

文章主体の人の場合は、これにSEOの要素を考えることになります。コミックエッセイということで画像主体だと検索エンジン経由でのアクセスはあまり期待できないですね。

 

はてなブログは炎上が怖い? 障害児育児には批判的なコメントが集まる?

炎上するのが怖いということですけど、はてなブログがきっかけで、世の中的に言う炎上に繋がったというのは私はあまり見たことがありません。

せいぜい、はてなブックマークで数十個ネガティブなコメントが書き込まれて、他の人のブログからネガティブな言及が二~三ある程度です。長期的に執着して叩き続ける人はごく一部です。(実名等を公開していない人が)身バレすることも、私が観測している限り、ここ数年で一度もありません。

脇が甘い文章を書いて突っ込まれるのは私の中では炎上とは認識してないんですよね。

他人のツッコミを受けるのが嫌だというのは気持ちは分からぬではありませんが、表現を続けるつもりであれば、避けて通れないものだと思ったほうがいいと私は考えています。

どんなものでも話題になればなるほど、厳しい視点で見る人は増えるし、想定読者以外の読者に届くことはあるものです。むしろネガティブな反応があるということは、自分の記事が幅広い層に広がっているぐらいのマインドのほうが生き残れると思います。 

ちなみに、はてなを利用しているユーザーは、割とリベラルなので、障害児育児に対してネガティブなコメントをする人は少ないと思います。仮にコメントする人間がいても、カウンターがあるはずです。その辺が私にとってのはてなの好きなところです。

 

どんなコミックエッセイがウケるか?

私はプロの編集者ではなく、しかもコミックエッセイはまず読まないので(n=1なんて意味ないと考えてます)、漫画の内容へのアドバイスは何とも言えないところがあります。

ただ、一通り記事を拝見して思ったのは、

  • 記事数が少ない
  • コンテンツが漫画としてストーリーがあるときもあれば画像のときもある
  • 漫画はコマの中の文字数が多い
  • 記事タイトルから内容が想像できない
  • 一記事での結論がぼやーっとしていてハッキリしない
  • 記事ごとの関係性がよく分からない(前の記事と次の記事が繋がっていない)

という感じです。要するに、ブログの方向性が定まっていない印象を受けます。だから、いくつか記事を読んで、定期購読したいという(ファンになりたいという)気持ちにあまりなりませんでした。

方向性が定まっていないからこそ、素人の私にメールしているのだと思いますが、まずはコミックエッセイ系ブログでどんなものが受けているか、また実際に本となって出版されているものはどんなものか、リサーチをされたほうがいいでしょうね。エッセイを書くにしても、かなりしっかり書かれている方はいらっしゃるので、そういう人のブログを読んでおくといい。

私が読者登録をしていて、参考になりそうな人を紹介しておきます。

トウフ系

うちの子流~発達障害と生きる

個人的には、

  • 記事は時系列にする(最低、年齢別のカテゴリーを用意する)
  • タイトルを工夫する(具体的には、自閉症児に関係しそうな内容をタイトルに入れる(「こだわり」「集団生活」「人の気持ち」などなど))

といったところをやってくれると読みたいなという気持ちになります。

ちなみに、私は理屈バカなのでポン太くんのこういう発言は大好きです。言われた人間は嫌だと思うでしょうけどね!

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※画像の出典は『あの頃、願ったこと - ポン太一家の冒険』から。子どもの部屋が汚いときに誰が片付けるか問題は結構意見が分かれる。

 

本が出ること≠漫画家になること≠パートしなくていいこと 

たぶん、一番の悩みどころであるところの、漫画家になれるかどうかについて。

これもまったくの素人でしかない人間がどうのこうの言うことではないですが、漫画家になれるかどうかで悩むのは、もう少し現実的に物を見たほうがいいかなとは思います。

大体、仮にコミックエッセイブログが人気になり、出版社への売り込みか編集者が目を付けてくれる形で、本になったとしても、それだけではまず生活はできません。私が以前計算した際は、紙の本の平均出版部数は3000部ぐらいでした。初版は5000部ぐらいですかね。コミックエッセイは一冊単価1000円ぐらいですから、著者への還元率が10%なら、一冊でせいぜい30万円~50万円が著者の収入です。

自分の描いた・書いたものが本になるというのは凄いことに見えるかもしれませんが、著者の手元に入る金額はそれほど大きくはないものです。そして、かける時間も莫大で、次の本が出るかも確実ではありません。

本屋さんに行ってみると、ものすごい量のコミックエッセイ本がありますよね。そのほとんどの人が『ダーリンは外国人』クラスのヒットになることもなく、一冊出してその次の出版には繋がっていはないはずです。

安定収入源にするようなものではないため、パートをまずは見つけた上で、人生の自己実現のために自分と息子さんのことをまとめてみるぐらいのノリのほうがいいと思います。

topisyu

 

締め

相談への回答は以上です。

いくつになってもやりたいことをやるのはいいことだけれど、それで何かお金を取りたい、生活したいということであれば、

  • 他の人がどんな努力をしているか知る
  • 市場が何を求めているか把握する
  • その上で、自分が他者とは異なる何を市場に提供できるかを正確に理解する

というのは大切だと思います。