最近、Google AdSenseをブログに貼っています。これが結構面白くて、Amazonの広告同様にハマっているところがあり、何かの機会に色々分かったことを書くかもしれません。
今日はそのGoogle AdSenseに関して、ちょっとした小話を一つ。
個人ブログを中心に広がるノウハウ?
皆さんがご覧になっているブログやWebサイトで、Googleの広告が掲載されている上に、「広告」「スポンサーリンク」というラベルが書いてあるものを見かけませんか?
位置関係としてはこんな感じです。
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[Google AdSenseの広告の画像・テキスト]
色々調べてみると、どうやら、「広告」「スポンサーリンク」というラベルをつけないといけない(must)みたいなことを書いている人が結構いまして、それが個人ブログを中心に伝播しているようです。
でも商用メディアではつけていない?
ただ、こういう「広告」「スポンサーリンク」というラベルは、広告を主な収益源としている法人が運営するメディアではあまり見かけません。
自分がブログを書いている、はてなブログも、デフォルトでこういうラベルはついていません。
これらのラベルを付けているのが正しいとしたら、日経ビジネスや株式会社はてなはGoogle AdSenseの利用規約に違反していることになります。
利用規約を確認する
では、実際のところ、この「広告」や「スポンサーリンク」というラベルをつけるのが正しいかどうか、GoogleのAsSenseに関する利用規約のポリシーを見てみましょう。
サイトのユーザーに誤解を与えないようにし、ユーザーがコンテンツと Google 広告を簡単に区別できるようにすることが大事です。AdSense のポリシーでは、「関連情報」や「関連リンク」といった誤解を招く見出しの下に広告を配置することは禁止されています。広告ラベルには、「広告」または「スポンサーリンク」のみを使用するようお願いいたします。それ以外のラベルは許可されません。
許可されない配置方法の例
次に示すように、サイトの見出しが不適切な広告ラベルと見なされることもあります。このような位置にある広告は、リンクやリストと間違われる可能性があるため、このような配置方法は許可されません。サイトとそのレイアウトを入念に確認して、このような問題が発生しないようにしてください。
次のような表現を使用して、広告をクリックするようユーザーを誘導することは許可されません。
- 「広告をクリック」
- 「広告にアクセスして、チャリティ活動に募金」
- 「スポンサーをチェックして、サイトの運営にご協力を」
- 「新しいサーバーが必要です。ご協力をお願いします!」
(文中の赤字は筆者)
Googleのポリシーにおいて、ラベルに該当する箇所はこうです。この規約文の、
広告ラベルには、「広告」または「スポンサーリンク」のみを使用するようお願いいたします。それ以外のラベルは許可されません。
ここですね。ここを見て、広告ラベルとしては、「広告」または「スポンサーリンク」を使用しなければならない(must)と解釈する人がいると思われます。
ただ、この部分の前後を読めば、
AdSense のポリシーでは、「関連情報」や「関連リンク」といった誤解を招く見出しの下に広告を配置することは禁止されています。
だったり、
サイトの見出しが不適切な広告ラベルと見なされることもあります。
とありますし、素直に読めば、サイトのコンテンツと誤解させるようだったり、広告に誘導させる形で、広告に見出しをつけるのが禁止であり、もし、何か見出しのようなものをつけたければ、「広告」や「スポンサーリンク」というラベルを貼るのはいいということです。
何しろ、
誤解を招く見出しの下での広告配置
小見出し自体がこれです。
利用規約(英語)を確認する
この点について、更に誤解がないよう、
広告ラベルには、「広告」または「スポンサーリンク」のみを使用するようお願いいたします。それ以外のラベルは許可されません。
この部分の英語版を見てみましょう。原典は英語版でしょうから、元の訳を確認すれば日本語訳をする前の正確な表現が分かる。(言語の変更は、先ほどのGoogleのポリシーのページの最下部で可能です。)
Publishers may only label ads with either "Advertisements" or "Sponsored Links". No other variations are permitted.
このように、may only labelとあります。"Advertisements"や"Sponsored Links"のどちらかだけならラベルをしてもよいという表現です。
ここが、前後文脈なく、must labelであったり、should labelであれば、いつでもラベルをつけなければならないということにでもなるでしょうが、そういう表現にはなっていません。
関連するGoogle AdSenseのヘルプフォーラムのリンクも紹介しておきます。
My Absence Ads On Website Disabled Due To Mislabeling Violation
締め
ということで、Googleが書いているポリシーを素直に読めば、Google AdSenseの上に変な見出しをつけるのは禁止、何か見出しのようなものをつけたければ「広告」や「スポンサーリンク」だけOKと考えられます。
もちろん、自分はGoogle AdSenseのプロでも何でもありませんけどね。たぶん、これらのラベルを貼ったことでGoogleからの規約違反状態を解除できた人は、ここで書いている通りなら、広告の直上に記事の見出しをつけていたんじゃないでしょうか。もしくは、広告が本文とはっきり区分されていないで、結果的に広告の上に見出しがついているように見える作りになっていたり。
Googleが規約違反としてブログ上での広告掲載の停止を通知してくる場合、具体的に何がどうおかしいのか、あまり細かく指摘がないようで、この辺から、あとで言われるぐらいなら、保守的なぐらいがいいという発想で、この誤解が広まっているのではないかと推測しています。
以上、本題です。以下、余談です。
余談
冒頭で書いた、Google AdSenseにハマっている理由をちょっとだけ書きます。広告を貼った立場だからこそ、他の広告を貼っている人や企業のGoogle AdSenseでの広告収入がざっくり推測できるようになったのが一つ。広告収入をブログを書くメインのモチベーションとしている人の心中を色々察することができる情報が増えたのも一つ。他にもありますけど、それはまた追々。
要するに年賀状からその家の所得を推測するのと同じようなことを、ブログからでもできるようになったということです。こう書くと楽しそうですよね?
Google AdSenseの規約違反に恐怖する人をちらほら見かけることがあったんですけど、これまではよくピンとこなかったんですよね。でも、これが主な収益源となると書く内容が保守的になる状況もある程度は察することができるようになりました。大の大人もこのラベル程度で右往左往する。
発言小町では、どうやって読売新聞の検閲担当者の目をくぐり抜けて相談を掲載させるかが一つのノウハウで、自分はこれをずっと探っていました。
Google AdSenseのほうはある程度明文化されているので察する要素は少ないんですけどね。ブラックボックスに見えていたものが徐々にクリアーになってくるのは楽しいものです。
ただ、多くの人にとって、こういうった規約に目を通すのは苦痛でしかないでしょうから、大した収入にでもならない人には、Google AdSenseを貼るのはおすすめしません。せいぜい毎日の子どものおやつ代ぐらいにしかなりません。