斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「食べきれない食事を勝手によそう知人にイライラします」

今日は比較的軽めであるものの、よくあるモヤモヤを紹介します。

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 Q1. 食べきれない食事を勝手によそう知人にイライラ

斗比主閲子様

一年ほど前に友人の件で相談させていただきました、陽子です。

今回は別件で自分がイライラすることに対して相談させていただきたくご連絡差し上げました。斗比主閲子様のお時間をいただきたくほどの内容ではないのですが、それでも自分では解消できなくて、斗比主閲子様からご覧になったらどのように考えるのかを伺いたいと思いました。大したことではありませんが、よろしければ聞いてください。

知人Aさんに対するイライラがずっとあり、解消できずモヤモヤした日々を送っております。私もAもともに40代の女です。知人Aさんとは仕事関係で知り合いました。二人とも共通の趣味(演劇鑑賞)があり、意気投合し仕事以外でもご飯をを食べたりしておりました。

しかしながら、私は段々とAさんの言動に違和感を覚え始めました。違和感を覚えた言動はいくつかありますが、これから記載することで私はそのAさんとは距離を置こうと決心いたしました。

その行動は食事中私のお皿に勝手に食べ物をのせることです。これは二人で別々に頼んでいるものを「これよかったらどうぞ」とのせるのではなく、シェアして二人で分けたにも関わらず、その食べ物をのせるのです。私は確かによく食べますが人より特に大食いでもなく、Aさんが少食というわけでもありません。

最初の頃は奇数のものが出た場合、最後の一個を「食べて」と言われていたので、なんとなく命令口調でしたので食べていました。ただ段々と苦痛になってきたので、そういった最後の一個は半分に分けるようにしました。しかしAさんは私に余分に食べさせようとしてきます。

クラッカーなど数が明らかで例えば10枚とかあった場合、私は5枚だなと思って食べているのに、「これ美味しいから食べて」(食べたから知ってるし)と2、3枚のせてきます。止めてと戻しても「食べられるでしょ」とのせてきます。

クラッカー以外でも大体6対4若しくは7対3で私が多くなるようにします。せめて確認してくれればいいのに、いきなりのせてくるのです。

いい加減そのやり取りに疲れた私はある時「いい加減にして!」「私は人より多く食べたいわけではないから2等分にして!!」ときつめに言いました。そのときの私はお店の人がその後の料理を2つのお皿に分けてくださったほどの剣幕でした。

にも関わらずAさんは次に食事をしたときに私のお皿に食べ物をのせてきました。それはきつめに言った時から3ヶ月ほど経っておりました。そのお店のプランは完全に食べ物が人数分になっておりました。私はきちんとすべてのものが2つずつあったので安心していたのですが、最後にAさんは自分の食べ物のうちの一つを半分にして、私のお皿に勝手にのせてきたのです。

凄く頭に血が昇ったことを覚えています。

怒鳴り付けそうになる自分を必死で抑えながら、「要らない」「戻して」とのせたお皿をAさんの前に出し、Aさんにのせた食べ物を戻させました。その時Aさんに「本当に陽子さんって頑固だよね。」と言われ、またもや頭に血が昇りました。

なので本当は冷静に「勝手にのせないでほしい」「どんなに親切心だとしても、止めてと言っているにも関わらず行う行為は嫌がらせとしか思えない」と伝えたかったのですが、出来ませんでした。

そして人の嫌がることをしておいて「頑固だね」とまるで私が悪い(頑固なのは認めますが)ような言い草にもう二度とAさんとは食事には行かないと心に誓いました。

それから半年が経ちました。もう二度と会いたくないのは確かです。けれども私がどんなに嫌な思いをしたのかをぶつけたい思いが湧いてきます。

Aさんにその思いをぶつけるために会ってお話をしたとしても、多分お互いに嫌な思いをして終わるでしょう。もうそんな嫌な思いをするために時間を使いたくないのです。今でもふとした瞬間に頭の中でその時の出来事が甦ってきて、「もう二度と会いたくない」という気持ちと「このイライラをぶつけたい」という思いがせめぎあっています。

このどうしようもないイライラをどうすれば良いのか、斗比主閲子様は私とは違って他人に対して怒りの気持ちがほとんどないとのことですが、イライラの解消法などございましたら教えていただければ幸いです。

よろしくお願い致します。

陽子

A. 残念な人だと思うのはいかがでしょうか

陽子さん

仰る通り大したことではないかもしれませんが、それでも、私が大好きな類の話です。ほっこりしますね!

それで肝心の、

このどうしようもないイライラをどうすれば良いのか、斗比主閲子様は私とは違って他人に対して怒りの気持ちがほとんどないとのことですが、イライラの解消法などございましたら教えていただければ幸いです。

については、前からよく書いている通り、イライラさせる人を可愛そうな人だと思うことですね。

大体、こちらの許可を得てないのに勝手に食事を盛り付けるのもそうだし、一度止めてと言ったのに再度繰り返して、その上「頑固だね」と言ってくるなんて、このAさんは相当残念な人ではないでしょうか。

半年経ってからもAさんに反論したいのは、陽子さんの中で攻撃された痛みが残っていて反撃したいということなんだと思いますが、実際にはAさんは攻撃してきたわけじゃなくて、単に、残念な行動をしてきただけと捉えるといいかと思います。

Aさんが残念で可愛そうな人で、くだらない言動をして当然だと思えば、そんな残念で可愛そうな人と同じ土俵で戦うのがくだらないことに感じられないでしょうか。私が怒りにくいのは、何かやらかす人間はそういう人間であって、仕方がないと受け入れているからです。

それでも解消できないことはないわけじゃないですけどね(笑) そういうときは、周りに盛大に愚痴ります!

topisyu

Q2. イライラがなくなりました

斗比主閲子様

お世話になります。

つらつらと自分のどうしようもない心境を書いてしまいどう受け止められるか不安でしたが、ほっこりしますとのお言葉に安心致しました。

私はずっとAさんとは同じ土俵に立ちたくないとは思っておりましたが、反論したい思いが消えませんでした。それが攻撃されたと感じたから反撃したいのだろうという指摘と、Aさんは私を攻撃したのではなくただの残念な行動をしただけとの指摘に目が覚めた気がします。

お陰様でAさんに対するイライラがなくなりました。自分でもこの半年イライラしていたのに、こんなに簡単になくなるなんてと驚いております。これは今まで愚痴をこぼしてもここまで言い当てる人がおらず、自分のイライラの原因が分からなかったためだと思います。

斗比主閲子様の冷静な指摘でそれに気付くことが出来ました。今後もイライラする人に遭遇するかと思いますが、そのような人に遭遇しても残念な可愛そうな人なんだと考えるようにします。

お忙しい中ありがとうございました。今後もブログ等で応援しております。

陽子

締め

身近な人間関係で、自分の嫌がることをやる人にモヤっとすることはありますよね。

背景には、その人物に対する期待がある。自分の期待に応えてくれるはずなのに応えてくれない。期待に応えないのは怠惰なのか、わざとなのかは分からないけれど、それは自分をないがしろにしているからこそだから、自分を認めない、ある種の攻撃だと考えられる……。

人語を理解しない子どもにはイライラしないけれど、子どもとある程度コミュニケーションが成立するようになると親の言うことを聞いてくれないのにイライラするというのも同じ背景があると思います。

実際には、子どもはコミュニケーションは一見成立しているようで、まだまだできることは多くはないし、約束も守れないものですから、子どもに問題があるわけではないことが多々あります。というか、まず問題はない。

陽子さんの知人のAさんでも、子どもであっても、その人物の力量にあった適切な期待を想定していれば(期待値のハードルを下げれば)、その人ができないことややらかしたことは、その人の問題であって、自分への攻撃だとは感じにくくなります。要は気の持ちようなんですけどね。

私もこの辺は聞きかじりとちょっと考えたロジックで書いているだけなので、気になる人はいつも紹介している水島広子さんの本を読んでみてください。 

「対人関係療法」の精神科医が教える 「怒り」がスーッと消える本 (大和出版)

「対人関係療法」の精神科医が教える 「怒り」がスーッと消える本 (大和出版)

  • 作者: 水島広子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/09/26
  • メディア: Kindle版
 

しかし、いただいたメールについてですが、私の返信一つで結構長くあったイライラがなくなったとしたらありがたい話ですけど、ちょっとビックリしますね! みんながみんな可愛そうな人と思うというより、その人にあった適切な期待値を設定するというのが上手くいくかなと思います。