この記事読んだんですけど、
新入社員よ、「叱られ方」知って 上司を理解し気を楽に:朝日新聞デジタル
タイトルは本質的には逆であるものですよね。新入社員が叱られ方を学ぶんじゃなくて、上司が新入社員の指導の仕方を学んだほうがいい。
記事の中では、
例えば「言われたとおりにやれよ!」は一見、きつい言葉だが、本質は仕事に対する注意だという。研修では上司を「促進型」「支援型」「管理型」「分析型」の四つに分類して解説。タイプによって言葉の表現は様々だが、椎名さんは「どのような上司か理解し、言葉の本質を受け止めれば楽になる」と話した。
などと、新入社員の側で上司を四つに分類して、対処法を考えようという人材コンサルの言葉が紹介されています。
しかし、そもそも、上司が「言われたとおりにやれよ!」ではなく、具体的に仕事のやり方を伝えられていれば、こんなエスパーみたいな能力を鍛える必要はありません。
大抵、「言われたとおりにやれよ!」というヤバい指導しかできない上司は、指導の仕方を教わったことがないものです。自分自身も何も教えてもらえなかったから、「言われたとおりにやれよ!」としか言えない。フローを言語化して他人に説明できない。だから、叱っちゃう。
わけのわからない上司へのエスパー的な察してコミュニケーション能力を新入社員に叩き込むという解決策は、その時は上手くいったとしても、将来的にはこの新入社員が同じような上司になり(「分かるだろ!」と説明を省く)、次の新入社員が同じ様な目に遭い、負の連鎖が起きます。
「言われたとおりにやれよ!」という上司に、指導の仕方を指導すれば、その上司に育てられた新入社員も同じ様に人を育てるようになります。いつも上手くいくわけじゃないけど、やらないよりやったほうがいい。
エスパー的な能力というのは、非常に限定的な中でのコミュニケーションスキルであって汎用性に乏しいんですよね。部下が外国人とか、自分と性別が違うとか、多様性というのが当たり前になってきていますから、「言われたとおりにやれよ!」的な指導といえない指導法を温存するのは、本人にとってもリスキーなんじゃないかと思う次第です。
※画像は経産省のダイバーシティ2.0 一歩先の競争戦略へ(平成29年6月)から