斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

配偶者の収入に依存していると離婚の決断がしにくくなる

Twitterで、

専業主婦/主夫は収入を配偶者の稼ぎに依存しているため離婚した時のリスクが大きいというのを読んだが、理解できない。離婚することになったら親権を手放し、生活水準を落としてバイトで生活すればいいのではないか。

こういうのを見かけました。ご本人がTweetの引用を希望されないと考えて、書き直して掲載しています。誰が言ったかは重要ではないテーマですしね。

特に専業主婦/主夫であるかに関わらず、配偶者の収入に依存して生活していると、相手と上手くいっていないときに別れるのが難しくなります。正確には別れる決断をしにくくなる。

子どもがいる場合は、養育費がもらえないことは多く、もらえたとしても金額は結婚中ほどではありません。だから、別れる前と同水準の教育費を子どもにかけるのが難しくなりがちで、親権を取りたくても取るのに躊躇をし、結果的に離婚自体も躊躇することになります。(もちろん、離婚に躊躇する理由としては、お金だけではなく、子どものために両親が揃っていたほうがいいという発想もありえます。)

16 離婚母子世帯における父親からの養育費の状況|厚生労働省

裁判所|養育費算定表

離婚を申し立てるのは妻側が多いですが、その理由は性格の不一致のほかに、夫によるDVなどネガティブな要因もあります。そして、今の日本では子育てにはまだ夫が関与していないことが多々あります。妻が経済的な理由で夫に子どもの親権を取らせるということは、時には子どもを経済面以外では好ましくない環境に置くと妻は考えることがありえるわけです。そんなときに、必ずしも積極的な動機ではなく、子どもの親権を自分が取らねばならないという判断が生まれます。

また、子どもの有無に関係なく、別れを迷うのは一度上がった生活水準を下げるというのに苦痛を伴うというのがあります。生活水準を上げるのは簡単なんですけど。

ちなみに、専業主婦/主夫でしばらくいた場合、正社員になったり、以前のような処遇で雇ってもらったりするのが難しくなるというのはありますね。今は売り手市場なので、多少は改善していると思いますけど、専門職で資格を保有しているということじゃないと厳しいところがあります。

一旦専業主婦を経て正社員に返り咲いた方? : キャリア・職場 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

こんな理由から、傾向として専業主婦/主夫にリスクがあると言われることがあるわけですね。あくまで傾向に過ぎないから、みんながみんなに当てはまるわけではないけど、離婚後に苦労している人は確かにいます。