誰に見られているかもよく分からない弱小ブログ、Twitterユーザーではありますが、どうにか影響力を高めて、実現したいことがいくつかあります。その一つが誤用の"ほっこり"を撲滅することです。
注:追記あります。
今の"ほっこり"は誤用の"ほっこり"
ほっこりという言葉、元を正せば、はんなりと同じように京ことばです。意味は、「適度な疲労感」のこと。「今日はほっこりしたわ~。少しやすも」といったように使います。
京都独特の言葉「ほっこり」の意味は?|京都クイズ|リビング京都
Q.京都独特の言葉「ほっこり」の意味は?
① 強烈な疲労感
② 適度な疲労感
③ かすかな疲労感
A.ご年配の方が長時間のお出かけから、帰ってくるなり「ほっこりしたわあ」とおっしゃることがあります。一説によると、体がホカホカするほどの状態を語源にしているとのことで、体は疲れているけれど心は満ち足りているというニュアンスがあり、心地よい充足感を指すという意味になります。体と心のバランスを凝縮した便利な京言葉ですね。答は【2】
【出題者】京都産業大学 日本文化研究所 宣京師 小嶋一郎さん
「ほっこり」「まったり」の意味が変わったのはどこで? 織物氏 2011年2月15日 16:40
京都生まれ京都育ちです。
最近よく使われている『ほっこり』
私が育った環境では、「大変だった」「しんどかった」「えらい目にあった」という意味で使われていました
祖父がよく使っていたのですが、いつも愚痴として使っていた為、聞くたびに違和感を感じ、
毎度「みんなっ、本当の意味は真逆なのよっっ」と心の中で叫んでおりました
それが、どこかで、"暖かい""心休まる事物を見たときに心休まること"のことを指す誤用が広まるようになりました。特に、後者は主にステ奥界隈で使われています。今は、こちらの誤用の方で理解されています。
あとそれから何年か前から「ほっこり」っていうのも徐々にだめになってきて、だって「ほっこり」って「ほっくり」に似てるから蒸かしたじゃがいもを連想させるじゃないですか。
誤用の"ほっこり"がダメ
言葉を人がどのように使うかは、他人が強制できるものではありません。でも、個人としては、聞いていて気分がいい言葉とそうでない言葉があります。この誤用の"ほっこり"は自分にとっては受け入れがたい言葉です。
これは誤用の"ほっこり"の持つ意味よりも、使われるシチュエーションや使う人に対するところが大きいんだと考えています。大抵、誤用の"ほっこり"を使う人は、丁寧な暮らしやロハスや人間の手が入らない自然が大好き。誤用の"ほっこり"を、自分の心がいかに満たされているか、他人にアピールするときに使います。(偏見)
地獄への道は善意で敷き詰められているという言葉がありますが、大抵こういう人が、○○○○とか○○○○とかして○○○○を○○○○に追いやるんです。そういう場面を何度も見てきました。
だから、誤用の"ほっこり"を見かけると、その言葉を使って実現しようとすることが一体何に帰結するのか分かっているのかと、一人モヤモヤします。
誤用の"ほっこり"を誤用する
しかし、繰り返しですが、人がどう言葉を使うかは他人が強制できるものではありません。モヤモヤしてもどうしようもない。それで、タイトルになるのですが、topisyuは、誤用の"ほっこり"をあえて誤用したものをどうにかして浸透させて、誤用成分を混乱させてしまおうという試みをしています。
具体的には、"心休まる事物を見たときに心休まること"という意味ではなく、"心休まらない事物を見たときに心休まること"という意味で、誤用を更に誤用するようにしています。具体的な心休まらない事物とは、人間関係トラブルです。
これが浸透すると何が起きるかというと、誤用の"ほっこり"を使った人に対して、周りの人が「え、あなたがほっこりした対象って、そんなに酷い話?むしろいい話だと思うんだけど??」と頭の中にはてなマークが並び、相互の円滑なコミュニケーションに障害をきたすことができると考えています。誤用の"ほっこり"を使いにくくさせることができる。そうしたら、いつか、元の意味の"ほっこり"が復活するかもしれない。
すでに、このような方もいらっしゃいます。
note更新しました!毒親ものでバイオレンスもの。トラウマがある方はご注意ください。ブログには絶対書けないような内容なので課金させていただきますね…。 → 『ナイス・ショット!』 | 大和彩 | note(ノート) https://t.co/3nRxABRRjD
— 歯グキ露出狂 (@deluxe_tokyo) 2014, 4月 20
さっきアップしたnoteではトピシュさん仰るところの「ほっこり」を目指しました。※通常の意味の「ほっこり」ではないのでご注意ください
— 歯グキ露出狂 (@deluxe_tokyo) 2014, 4月 20
締め
言葉の使われ方は、その時に沿った利用法をされるもので、たとえ、それが誰かの意図によって広まったとしても、その用法が実用に供するのであれば否定されるものではありません。
自分が意識的に利用している、誤用の"ほっこり"の誤用自体が主流になることはないでしょう。ただ、引き続き、このインターネットの端っこから、誤用の誤用を意識的に発信していくことで、誤用の"ほっこり"に一矢報いれればと考えています。
ちなみに、これは記事と関係ないですが、発言小町のトピ主は、"トピヌシ"ではなく"トピシュ"と呼びます。誤った読みということではなく、"トピシュ"が正しい読み方です。
トピヌシじゃなくてトピシュですよね : 生活・身近な話題 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
追記
上記の「誤用だ!誤用だ!」については、誤用ではないのではないかと丁寧にコメントしていただきました。以下、許可を頂いた上で紹介いたします。
@topisyu 「ほっこり」ですが、恐らく誤用ではないと思います。明治期の『言海』という辞書には「(1) あたたかなさま。(2) つかれたさま。」とあります。ちなみにこの語釈は『広辞苑』初版(昭和35年刊)と同一です。多分『広辞苑』がパクったんだと思います。
— John Joseph Malone (@jjmalone_) 2014, 4月 25
@topisyu 大正期の『言泉』という辞書には「温まるさま。温かくなるさま。」と「あたたかい」という方の意味しかありません。 こちらの43ページです。 http://t.co/8QK9edBwTg
— John Joseph Malone (@jjmalone_) 2014, 4月 25
@topisyu 『広辞苑』最新版である第六版には「あたたかなさま。ほかほか。狂言、木六駄「燗を—として一杯飲まう」」と、狂言の用例も載っています。狂言が何時頃のものか分かりませんが、少なくとも明治期には「あたたかい」という意味で使われており、そちらが主流ということが分かります。
— John Joseph Malone (@jjmalone_) 2014, 4月 25
@topisyu 逆に「ほっこり」の「疲れる」という意味は、最近の辞書にはあまり載っていません。小学館の『大辞泉』(『広辞苑』と同規模の辞書)はネットで引けますが、「疲れる」の意味は載っていません。 http://t.co/9xAMdHztFQほっこり/
— John Joseph Malone (@jjmalone_) 2014, 4月 25
@topisyu 京都では「ほっこり」を「疲れる」の意味で使うのかもしれませんが、「あたたかい」という意味で使う方が主流なのではないでしょうか(私は東京の人間ですが「疲れる」の意味は知りませんでした)。
なおロハスの方々に対する思い(偏見?)については、100%同意します(笑)。
— John Joseph Malone (@jjmalone_) 2014, 4月 25