斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

釣り解説"「結婚したくない人」の気持ちがわかりません"

昨日の発言小町の釣り解説は楽しく読んで頂けたようで何よりです。ところで、釣りをする場所というと、発言小町やはてな匿名ダイアリーを想像されるかもしれませんが、個人Blogでやられる方もいます。

今回は、はてなブログでは有名なとある釣り師が、爆釣間違いなしのエントリーを書かれていましたので、こちらを釣り解説してみます。

はてなブックマークコメントでも既に釣り指摘は複数ありますし、わざわざ釣り解説を読まなくていい、そもそも釣り解説がお好きでない方はそっ閉じを推奨します。長いし、しつこいし、細かいです。

http://www.flickr.com/photos/49503002139@N01/367381719

photo by arimoore

 

タイトルから釣り確定

「結婚したくない人」の気持ちがわかりません - 体調わる子の毒吐きブログキャッシュ

まずタイトルからして釣り確定です。普通の人はこれで釣りだと分かりますからスルーするべきで、あえて読んで腹を立てている人は自業自得というぐらい見事な炎上狙いの釣り針です。

どうしてこれが釣り針になるかというと、「結婚したくない人」を否定しているからです。仮に、本心ではそう思っていなくとも、このようなタイトルをつけられたら、「結婚したくない人」はどう思うでしょうか。自分を理解するつもりがない人間が意見表明をしているように受け止めます。

本文を読むと、

 偏見を持っているとかってわけではない。独身主義を叩きたいわけでもない。

40%近くもの未婚の男女が、「結婚したくない」って思っているのがよくわからないんだ。

これは純粋な興味で書いた記事。

とあります。本当に純粋な興味であり、真摯な気持ちがあれば、タイトルは、『「結婚したくない人」の気持ちを教えて下さい』となるはずです。

はてなブックマークコメントでも、タイトルが原因で炎上していることが指摘されています。にも関わらず、それを変えずに、追記だけ続ける。タイトルで引っ掛ける、炎上目的の釣りであることはこれで分かります。

ちなみに、ブクマコメントは読まれていないということはなさそうです。

旦那に「今日こんな記事書いたんだけど、燃えてるんだが」と相談した。

そもそも、純粋な質問であるならば発言小町などの相談サイトで聞けばいいことですし、自らのBlogのコメント欄を一時的に解放すればいいわけです。質問をしているのに回答を受け付ける方法はTwitterに限定。本気で質問する姿勢があるのか疑わしい。

 

以下、本文の釣り解説となります。ここまででお腹いっぱいになられた方は、まだ長いので、そっ閉じを推奨します。

 

各所にばら撒かれた釣り針たち

特によくできた釣り針に限定して紹介していきます。

おいらが気になるのは「結婚したくない」という理由で、結婚しない人。

おいらの知り合いにもいる。

もう40代でモテないわけでもなく、彼女もいたりして、通常の恋愛ができる人。

そんな人でも「結婚っていう制度はおかしい」とか「結婚はしない」っていっていたりする。

「え?」って聞くと「そもそも結婚という制度は...」みたいな変な歴史を語り出したりする。

おいらは、聞いているのが面倒だから心は閉店ガラガラモード。

ここ凄いですよね。天才だと思います。

自分で最初に気になると書いておきながら、その人が結婚をしない理由を説明しようとすると、聞いているのが面倒と言いのける。この時点で、この釣り師が結婚をしたくない理由が知りたいなどとは到底読みとれません。どこの誰が、知人が直接話してくれている結婚したくない理由に耳を閉ざす人間に対して、インターネット経由でわざわざ説明してあげる気になるのでしょうか。

ちなみに、細かいですが、

「え?」って聞くと

「え?」が質問の仕方だとしているのも釣り針ですよね。本気で質問するなら、「え?それって、どういうこと?教えてくれる?」とするところです。自分は適当に質問しておきながら、人の話は聞かない。何度も書きますが天才的です。細かなところでイラっとさせる。

 

続いて、

2ちゃんなんかを見ると「女のATMなんかになってたまるかよ」とか「親をみてると結婚はちょっと」など、色々な意見が挙ってたりする。

女のATMになりたくないって言ってる人は、別に共働きすればいいのになーと思う。

「親をみてると...」って言う人は、田中マーと里田マーみたいな夫婦を見てもそう思うのかな。

ちょっとよくわからない。

これも釣り針です。結婚したくない理由が知りたいということですが、これは、結婚したくない人はこうした方がいいという提案です。以降は、このような、どう考えても、結婚しない人を否定し、結婚した方がいいという話の連続で、

でも、それ以上に結婚しないでずっと独身でいるほうが怖いと、おいらは思う。

怖いというか、つらい。

独身でいることを否定し、

1人で食べると、なんか虚しい。

ずっと1人で食べていると気づかないかもしれないけれど、おいらは気づいたぞ(確信)。

独りでご飯を食べることを否定し(独身の人は気付いていないだけという上から目線)、

 あと、ずっとひとりでいると性格も偏屈になる。

常に一緒にいるパートナーがいれば、その人に優しくできたり、相手が幸せそうにしてたら自分も幸せな気分になれる。

「思いやり」がもてる。

でも、独りだとそれが出来ない。

独りでいる時間が長いと、おいらの場合はリア充に嫉妬したり、グチグチネチネチと、とにかくリア充を敵視するようになっていた。

独りだと、そうなっちゃうんですぅ...。

だから、どんどん性格も偏屈になってく。

自分がそうだっただけで、主語を大きく、一般化して、結婚しない人を偏屈になるとする。

そして極めつけは、

おいらの周辺調べでは、35歳を過ぎて独身の人は何かがおかしい。

(仕事が忙しい人は除く)

元からそうなのか、寂しさがそうさせてるのかはわからない。

なんか利己的だったり、卑しい人が多い印象。

ここです。ここで、結婚できない人も釣ることに成功します。35歳を過ぎて独身の人には、結婚できない人も含まれます。そういう人の心にも容赦なく釣り針を突き立てる。

また、はてな民みたいな性格がリアルの場所でも表れたりしている。

はてな民っていうのは、ちょっと変わっていて「上から目線」とか「そんな考え方で人生楽しいのかな?」って人が多い印象。

ここまで読めば上から目線で人を否定しているのはこの釣り師であるのは明白です。ということで、はてなブックマークを稼ぐためのブーメラン釣り。上手い。

ネットのはて坊たちの発言は、ためになるものが多い。

だがしかし、リアルではて坊風発言をされたら、「この人とは距離をおこう」と思ってしまう。

しかも、男女問わずいるから余計にビビる。

あくまでも、おいら周辺調べによるものだ。世間に多いかどうかはわからない。

ここまで完璧に独身をこき下ろしておいていて、「純粋な興味があって結婚したくない理由を知りたい」などと言う。周辺にいるのであれば周辺に聞けばいいわけで、でも、距離をおこうとする。こんな短い文章でも釣り針だらけです。

なんか話がまとまらなくなってきたな。

まとめるぽよ。

まとめると言いつつ、繰り返し冗長な話を続けてまとめない高度な釣り。

「結婚しなくても、家事でも何でも出来るから平気」とか言うけれど、それは強がりではなく、本当にそう思っているのだろうか。

強がりというネガティブな仮説。

「ご飯は自分で作らなくても、買えばいい」「外で食べればいい」という人もいる。

ぼっちでご飯を食べてても、精神的に満たされているというのか。

寂しさは全然ないの?

自分の価値観が正しいとして、人の価値観を受け入れるつもりがない、キャパシティのなさをアピール。

周りがみんな結婚していっても、何とも思わないのだろうか。

将来に不安はないのだろうか。

結婚するほうが不安なのだろうか。

疑問形で書きつつ逆説的に、周りが結婚しているのだから結婚した方がいい、将来に不安はあるということを結婚したくない・できない人に説明。

結婚したいと思える異性がいないのか。

ネットがあれば、何もいらないのか。

どうしてそれで寂しくないのか。

結婚したくない理由をネットがあるからという一般化。

おいらがもし、40歳過ぎても独身だったら寂しさで人生が生き地獄になっていると思う。

自分の老いに気づき、ずっと独りでいたおかげで、周囲の人にトゲトゲしくなっているに違いない。

マストビー☆

自分はそうなるとして他の人もそうなるということをさりげなく伝える。そして、最後の強烈な締め。

おいらは、誰かに優しくしてないと人生は辛くなると思っている。

自分にばかり優しくしていると、絶対つらくなる。

ポテチを独り占めして食べる人生、毎晩ひとりで外食の人生。

そんな人生、寂しすぎるぽよ。

優しくできる相手、常に一緒にいる、安心出来る家族っていうのは作ったほうがいいと思うんだ。

 結婚したくない人=誰かに優しくしていない人。締めにこれを持ってくるあたり、この釣り師に人の心を理解する気持ちがないことが分かりますから、「結婚していても人に優しくできないじゃないですか。あなたですよ」と言わせるための釣り針です。

 

追記という名の釣り針

以上が本文ですが、追記にも大量です。ちなみに、追記部分は既に釣りに引っかかっているブクマを見てのものです。

旦那に「今日こんな記事書いたんだけど、燃えてるんだが」と相談した。

それで「結婚したくない人ってどういうことだと思う?」と聞いたら、「結婚に対してハードルが高いものと思っているんじゃないの?」と答えが返ってきた。

常に一緒にいる、安心できる夫とさえ話さずに、この記事を書いていたことのアピール。脊髄反射で文章を書くことが大切であり、誰かの意見を聞くつもりはないというのが分かります。

既婚者叩きの記事もよく見るけど、ってか2ちゃんでよく見るけど。

そういうときってブコメはどんな反応になるんだろう。

興味があると言いながら、自分で探す気はない。

あと、炎上目的じゃないです。

燃やさないでください...(遠い目

炎上させているのは、タイトルさえ変えようとしない自分であると分かっているのに炎上目的でないとする。

それでも聞きたいぽよ。

「結婚したい」はわかる。

一緒にいたい人がいたら、そういう気持ちになるってのは自然なことだと思っている。

逆説的に、結婚したくないことを不自然であるように示唆する。そして、最後にまた神経を逆なでする締めの言葉。

でも、「結婚したくない」っていうのはどうしてなんだ。

どうして「結婚したくない」なんだ。

偏見を持っているとかってわけではない。独身主義を叩きたいわけでもない。

40%近くもの未婚の男女が、「結婚したくない」って思っているのがよくわからないんだ。

これは純粋な興味で書いた記事。

え?

 

締め

どう読んでも偏見があるし、独身主義を叩く気満々なのに、白々しくそんなつもりはない、純粋な興味であるとアピールする姿勢は、かなりの手練の釣り師であるのは、これで分かるかと思います。

発言小町でトピを立てれば恐らく3日で500overトピ締めになる釣りトピを連発してくれることでしょう。

 

ちなみに、この釣り師が紹介している記事も釣り記事です。配信元が夕刊ガジェット通信ということで分かりそうなものですが。

そもそも「結婚したくない」人たちが急速に増加中! - リアルライブ

 

本当に興味があれば、調べるであろう2013年9月調査の元の調査はこちらです。

結婚の意識に関する調査。「人柄・性格が合うこと」を結婚相手に求める。|リサーチバンク 

2011年の方はこちら。

結婚の意識に関する調査。47%が婚活に興味を持っている。|リサーチバンク 

 

タイトルで分かる通り、婚活の調査です。ガジェット通信の記事は、このうち結婚したくない割合だけに恣意的に絞って紹介したものです。元の調査を読むと、結婚相手に求めること、結婚に関するエピソードなど、恐らくこの釣り師が知りたいだろうことは書かれています。(それにしても、この調査自体、標本数を4倍も変えておきながら、それぞれ比較しようとするのは理解しがたいところがありますが。予算が減った?)

 

釣り師も釣られると考えるか、釣り師が釣り記事をあえて紹介して多重釣りしているのか、なかなか判断が難しいところです。

 

余談

ちなみに、この釣り記事で、紹介されているAmazonアフィリエイトの本、2冊とも絶版なようです。わざわざ2005年ぐらいの絶版されている古い本を紹介してくれるのですから、実は既に結婚したくない人の理由はこれらの本を釣り師が昔に読んでいて分かっていると考えるのが妥当ではないかと考えています。アフィリエイトで釣りアピールするという発想はありませんでした。勉強になります。

結婚したい男 結婚したくない男―30代の「いい男」とは?ここまで書いた男の本音・女の本音!結婚なんてしたくない

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